アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

狭山の黒い闇に触れる 9

指定された「さのヤ」。酒類雑貨商「佐野屋」の店主は公判第一審において、自身の店について「自動車の看板でも見なければわからないと思います」と述べている。当時の写真資料を見たが、堀兼の片隅で、こじんまりと店を開き、前を通る道は砂利道であった。…

狭山の黒い闇に触れる 8

昭和38年5月2日深夜 埼玉県狭山市堀兼の酒屋近く。 数メートル先に身代金を持った人間が来ているにもかかわらず、犯人は金に手を出さず逃げた。この点は犯罪者としてプロである。類似事件を調べると、大半が金に手をかけたところを押さえられている。金か、…

狭山の黒い闇に触れる 7

私が小学生の頃、校内のいたる所に「整理整頓」と書かれた紙が貼ってあった。血液型がOである私は、やりっぱなし、ほったらかしが主義主張であったが、人生経験を積み、なるほど確かにそれは言えてると、今焼酎をあおりながら思うところであった。早速、狭山…

狭山の黒い闇に触れる 6

脅迫状の宛名を「少時」から「中田」へ変更、日付と取引き場所も書きかえ、犯人はあくまでも身代金奪取を目論む。脅迫状の文面は上記の三点を訂正しただけだが意図は明確に記されており問題はないと犯人は考えた。そして、わずか三点の訂正という簡素な変更…

狭山の黒い闇に触れる 5

私自身の頭を整理するためここに記す。狭山事件における脅迫状、それも訂正前の文面について私は興味を持ったが、一般的に知られる文面は執筆者による訂正後の姿である。訂正箇所は三箇所あり一つ目は宛名であり「少時」から「中田」に変更され、二つ目は日…

狭山の黒い闇に触れる 4

狭山事件の再審請求を可能にする方法は真犯人を特定すれば良い、と考えてみた。そこで脅迫状の元来の宛名人である「少時」の線からその可能性を引き出せぬかと勘案してみるも、やはり58年の壁は厚しかし前回述べた「少時」呼び捨ての考察は狭山事件公判調書…

狭山の黒い闇に触れる 3

狭山事件における脅迫状の考察に入る。今、私が着目しているのは訂正前の脅迫状、すなわち記された宛名が「少時」であり、場所は「前の門」と書かれている部分である。今回の考察は前者の「少時」に絞る。前回述べたように「少時」とは苗字ではなく下の名前…

狭山の黒い闇に触れる 2

出発から1時間半たち捜査対象なる物件に接近する。 あくまで近所の畑に向かう農家の人を装っているので途中の畑で作物を眺め、頷いたりしつつ目標に近づいていく。いよいよ目標物件を発見、全神経を集中させゆっくりと通過してゆく。が、無い。「前の門」確…

狭山の黒い闇に触れる 1

私は遂に引き金を引いてしまった。自分自身の寿命を縮めるという標的に向かって。このタイトルだけは避けようと考えていたが、現在55歳である私はもはや片足を棺桶に入れ始めても不思議ではない歳であり、巨大な疑問の解明に近づけるならば、その過程におい…

狭山の黒い闇に触れる 0

今年、私に何度目かの狭山事件の波が来ている。朝、目を覚ませば、いや睡眠中ですらこの事件に嵌っている。この、私の感情に素直に従いタイトルを変更してみた。「狭山の黒い闇に触れる」・・・あぁ、確実にある勢力から刺されそうな題ではないか、プスッ、…

狭山の黒い闇に触れる

狭山事件における衝撃度とでも言おうか、軽く流すことの出来ない、私の心を鷲づかみにした要因の一つに犯人から被害者宅に投げ込まれた脅迫状がある。現物の記録写真を見た時の恐怖感、これは未だに感じるのであるが、その内容といい、字体が醸し出すオドロ…

狭山の黒い闇に触れる

事件が起き、その証拠物を押収する場合、証拠保全の為、まず捜査員が、証拠品が発見された状態を確認するのが定石ではないのか、というごく簡単な質問に対し証人が質問を理解できていない。したがって弁護人が証人に噛んで含めるように聞き直す場面がある。 …

狭山の黒い闇に触れる

数年前に私が働いていた会社で、狭山市から通うアルバイトの青年と出会った。非常に好感の持てる若者で直ぐにうち解けた。しばらくたち私が、青年が生まれる前に狭山で起きた事件に関心を払っている事など話し、彼はそうであればウチの婆さんに当時の話を聞…

狭山の黒い闇に触れる

深夜、近くの雑木林から獣の鳴く声が聞こえ目を覚ました。やがてそれは遠ざかっていったが、眠気が覚めてしまった私は煙草に火をつけ、表から聞こえるコオロギの声を耳に、読みかけの狭山事件公判調書の写しに目を通し始めた。網戸から入る冷気が心地いい。 …

狭山の黒い闇に触れる

狭山事件において、犯人取り逃がし後に警察犬による捜索が行われたが、茶畑の先にある不老川に突き当たった所で臭跡が途絶え追跡不可となる。この臭跡が途絶えた場所から下流側に権現橋がかかっており、さらに橋を越え数十メートル先に養豚場があった。この…

狭山の黒い闇に触れる

深夜2:00頃、玉砂利を踏みしめる音で目が覚めた。秋の虫が鳴く中、一歩一歩慎重に歩を踏み出す気配。(・・・だれかいるな) 私は息を殺し待った。しばらくすると異様な気配は消え、秋虫の声だけが響いた。 以上は私が個人的な興味で狭山事件に取り組みはじめ…

狭山の黒い闇に触れる Ⅱ

(前回からの続き)捜査本部は「少時」を見つけられなかった。昭和35年10月狭山署長着任の竹内武雄は「あの辺の埼玉のあたりならば、普通であれば田舎の駐在2年やればほとんど自分の受持ち部内の子供などは大体頭に入ってくるということですね」(第41回公判)。…

狭山の黒い闇に触れる Ⅰ

脅迫状の封筒には元々「少時様」と書かれていた。宛名が書いてあるという事は「少時」なる人物が実在しており、差出人は「少時」という人を知っていて脅迫状を作成したと、私は考える。結果的には「少時」から「中田栄作」に宛名が変更されるが、ここに重要…

狭山の黒い闇に触れる

狭山中央図書館で狭山事件公判調書を読み耽る・・・(第二審 第六分冊 第六十一〜六十八回公判3342より)「脅迫状を読み終えるかどうかの時、弟のKが表に出てみた。と、猫が東のすみのところにいた」・・・。上記の、証人(長兄)による証言の趣旨は、やや脚色し…

狭山の黒い闇に触れる

狭山事件において犯人が残した唯一の物証、それは「脅迫状」である。 身代金の要求、その金額、受け渡し日時、場所、受け渡し人の指定、周囲への口止め、人質の生死などが一枚の便箋にまとめられている。これにもとづき警察は受け渡し現場周辺に数十人の捜査…

狭山の黒い闇に触れる

狭山事件。私はなるべく素人推理は避けるよう努めてきた。が、たまたま読んだ関連書籍に、「なるほど」と思わせる記述があったのでここにメモってみた。 以下、「自白崩壊 [狭山裁判二十年]」狭山事件再審弁護団編P.114より抜粋。 「五月一日のまだ宵の頃で…

狭山の黒い闇に触れる

いつもは玄関から現れ、座ってくれと勧めても玄関に立ちっぱなしの巡査・関 源三が、裏の勝手口に現れ廊下に上がり、「なんだ、こっちで寝てるんか」と言ってきた。関 源三の来訪で、寝ていた長男を母が起こした直後の場面だ。被害者の万年筆が勝手口から発…

狭山の黒い闇に触れる

時に私は狭山中央図書館・郷土資料室にこもったりする。この小部屋で狭山事件公判調書を読み耽るという、至福の時間を過ごすためだ。 問「その自転車の荷台見ましたか」 答「自転車は中古でしたね」 弁護人と証人の問答であるが、裁判官たちも当然、これを目…

狭山の黒い闇に触れる

ここに写っている古本は「せどり」目的で入手したわけではない。古本転売という闇稼業に向かいつつも、それ以前から興味を持ち集め始めていた、私にとっては重要特殊資料と呼んでも差し支えない古本群である。ちなみに全て狭山事件に関連した書籍である。 私…