アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

狭山の黒い闇に触れる 468

【公判調書1575丁〜】 「狭山事件の特質」 中田直人 二、公判経過 2(前回より続く).『昭和四十三年十一月十四日、弁護人の弁論が予定されていたが、自白調書添付図面のいわゆる筆圧痕問題が起こり証拠調が再開され、警察官二証人の尋問の後、筆圧痕に関する…

狭山の黒い闇に触れる 467

【公判調書1574丁〜】 「狭山事件の特質」 中田直人 二、公判経過 2.『当審は、被告人自らの控訴申立によって始まった。昭和三十九年九月十日、第一回公判が開かれた。弁護人の控訴趣意陳述後、被告人は自ら発言を求め、裁判長の説諭にもかかわらず「お手数…

狭山の黒い闇に触れる 466

【公判調書1573丁〜】 「狭山事件の特質」 中田直人 二、公判経過 1.『浦和地方裁判所における第一審公判は、昭和三十八年九月四日開始された。被告人は控訴事実をすべて認め、弁護人は冒頭、別件逮捕をはじめとする捜査の数々の違法を明らかにし、その中で…

狭山の黒い闇に触れる 465

【公判調書1571丁〜】 「狭山事件の特質」 中田直人 11.『被告人が狭山署に留置されている頃は、長谷部警視が清水利一と共に主として取調べに当たったが、再逮捕され川越署分室に移された後は、それまで小川警察にあって東島明の取調べに当たっていた青木一…

狭山の黒い闇に触れる 464

【公判調書1570丁〜】(前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 10.(後半)『別件逮捕を巡る論争は、本件の警察のやり方に対する批判から本件そのものについての疑惑を生みながら、やがて被告人の勾留満期を迎えた。 六月十三日、検察官は被告人の自白した…

狭山の黒い闇に触れる 463

【公判調書1569丁〜】(前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 10.『新聞は、「容疑者石川一雄」のことを大々的に報じ、本件は落着と報道するものまであった。一方、当初、別件で逮捕することはしないと公言していた警察に対して、本筋の強盗、強姦殺人…

狭山の黒い闇に触れる 462

【公判調書1566丁〜】 「狭山事件の特質」 中田直人 9.『五月二十三日早朝、被告人は自宅で逮捕された。逮捕状記載の被疑事実は交通事故のことで「事故を起こした相手方を二回殴った」という暴行と「友人の高橋良平の作業衣を車の中から盗んだ」という窃盗、…

狭山の黒い闇に触れる 461

【公判調書1566丁〜】(前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 8.『その間警察は、佐野屋の東南方数百米に当たる狭山市堀兼四七五番地の二、養豚業石田一義方の東南東百米にある権現橋から不老川に沿って約五十米進んだ地点にある石田一義所有の豚小屋で…

狭山の黒い闇に触れる 460

【公判調書1565丁〜】(前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 7.『当然のことに、被害者の自転車、差入れられていた脅迫状について指紋の検出が行われ、足跡の特徴についても鑑識がなされた。死体の手を縛っていた手拭いは、入間川・五十子米穀配給所が…

狭山の黒い闇に触れる 459

【公判調書1565丁〜】(前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 6.『こうした批判の矢面に立った埼玉県警察本部は、五月四日より県下各署より八十二名の警察官の応援と、県警本部捜査一課、防犯課、鑑識課の全能力をあげ、狭山署員を含める百六十五名の捜…

狭山の黒い闇に触れる 458

【公判調書1564丁〜】(前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 5.『その年(昭和三十八年)の三月末、東京台東区で村越吉展という子供が誘拐され、身代金を奪われながら目前で犯人を取り逃したという事件があった。五月当時、吉展ちゃんの生死さえ判らずそ…

狭山の黒い闇に触れる 457

【公判調書1563丁〜】(前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 3.『犯人逮捕に失敗した警察は、現場周辺で捜索を開始し、犯人の足跡を発見したとされている。県警本部刑事調査官・長谷部梅吉の指示で飯野源治巡査はそのうち三個を石膏で採取したという。…

狭山の黒い闇に触れる 456

【公判調書1562丁〜】( 前回より続く) 「狭山事件の特質」 中田直人 2.『将田政二、諏訪部正司の証言によると、五月一日、事件発生を官舎で電話で知り、その夜の捜査は無理と判断したが、午前一時には埼玉県警察本部に事件発生が報告され、翌朝七時過ぎ、狭…

狭山の黒い闇に触れる 455

【公判調書1543丁〜】 『第三十六回公判』(昭和四十五年四月二十一日) ここに記載された題目の中に「控訴の趣意」とあり、主任弁護人はそれを「控訴趣意書記載のとおり」と述べているが、この控訴趣意書の分量は電話帳数冊分に上る。やがては読まねばなるま…

狭山の黒い闇に触れる 454

【公判調書1535丁〜】 1535丁には第三十五回公判調書(手続)という表題が見られる。そしてその先の1538丁に「上申書」なるものが載っている。もちろんこれは被告人と弁護人らから提出されている。 『上申書』 「頭書被告事件については、津田正良判事を裁判長…

狭山の黒い闇に触れる 453

【公判調書1531丁〜】 ここでは被告人=石川一雄及び中田直人主任弁護人らにより『検証の請求』なるものが東京高裁に提出されている。 『検証の請求』 一、検証の場所 1.被告人の自宅 2.「荒神様」(三柱神社) 3.検察官主張の出会地点 4.横山ハル、横…

狭山の黒い闇に触れる 452

【公判調書1512丁〜】 「検証結果」“二 ”の2の(九)であるが、まずはその検証対象図面を載せる。 丁数2113・上から(甲)(乙)(丙) 丁数2114・上から(甲)(乙)(丙) 「検証の結果」 『甲、乙に筆圧痕があって丙にはそれがなく、甲の筆圧痕と乙の記載、乙の筆圧痕…

狭山の黒い闇に触れる 451

【公判調書1511丁〜】 ここでは検証の対象図面が丁数2091〜2096であり、その検証結果が述べられているゆえ、その図面を表示する。 丁数2091・上から(甲)(乙)(丙) 丁数2092・上から(甲)(乙)(丙) 丁数2093・上から(甲)(乙)(丙) 丁数2094・一枚目は(甲)だが二枚…

狭山の黒い闇に触れる 450

【公判調書1511丁〜】 『検証の結果』“二”の(六)。 丁数2060(甲) 丁数2060(乙) 丁数2060(丙) (六)二.〇六〇については、甲と乙とは合致しない。甲の鉛筆書きのところと丙の記載とは合致しないが、甲の筆圧痕と丙の記載とは合致するものと認められ、また、丙…

狭山の黒い闇に触れる 449

【公判調書1510丁〜】 「検証の結果」その“二”であるが、というよりここで何がどう行われているか、それをざっくりと記録してみる。 丁数2050(甲) 丁数2050(乙) 丁数2050(丙) これら調書に添付された図面(甲)(乙)(丙)に対し『検証の結果』二の(四)には次のよ…

狭山の黒い闇に触れる 448

【公判調書1503丁〜】 第三十四回公判調書(手続) 公判手続の更新=裁判官が代わったので公判手続を更新した。 裁判長判事=津田正良 判事=酒井雄介 判事=四ッ谷巌 裁判所書記官=石毛早苗、飯塚 樹 出頭した被告人=一夫こと・石川一雄 出頭した弁護人=(…

狭山の黒い闇に触れる 447

【公判調書1495丁〜】 ここには被告人石川一雄による二通の「弁護人選任届」が提出され、そこには大阪市北区、弁護人=和島岩吉という名前が見られ、次いで神奈川県茅ヶ崎市、弁護士=岡崎一夫(東京弁護士会所属)という名前が記載されている。今後、被告人の…

狭山の黒い闇に触れる 446

【公判調書1489丁〜】 昭和四十三年十二月二十六日 第三十三回公判 被 告 人= 一夫こと石川一雄 被 告 事 件= 強盗強姦、強盗殺人、死体遺棄、恐喝未遂、窃盗、森林窃盗、傷害、暴行、横領 公判をした年月日 = 昭和四十三年十二月十九日 公判をした裁判所…

狭山の黒い闇に触れる 445

【公判調書1488丁〜】 東京高等裁判所第四刑事部 裁判長判事 久永正勝殿 『鑑定人推薦について』 貴裁判所で御審理中の被告人石川一雄に対する強盗殺人等被告事件について先般鑑定人推薦の御依頼がありましたが、当大学の異常事態のため、当教室教官はお引受…

狭山の黒い闇に触れる 444

【公判調書1487丁〜】 捜一第五六〇号 東京高等裁判所第四刑事部 御中 『書類の送付について回答』 昭和四十三年十一月二十一日付東京高裁四刑日記第九三九号をもって目下貴所において審理中の被告人石川一雄に対する強盗強姦、強盗殺人、死体遺棄、恐喝未遂…

狭山の黒い闇に触れる 443

【公判調書1486丁〜】 昭和三十九年(う)第八六一号 『決定』 被告人 一夫こと石川一雄 右の者に対する強盗強姦、強盗殺人、死体遺棄、窃盗、森林窃盗、傷害、暴行、横領被告事件について、鑑定人宮内義之介に鑑定を命ずる図面(昭和四十三年十一月二十六日の…

狭山の黒い闇に触れる 442

【公判調書1485丁〜】 ここには前々回で触れた、調書1483丁・検察より提出の「鑑定対象図面申請」に対し、石川一雄被告人及び弁護団から「鑑定対象図面についての意見」なるものが高裁に提出されている。一部を抜粋してみると・・・ 『昭和四十三年十一月十九日…

狭山の黒い闇に触れる 441

【公判調書1484丁〜】 *裁判記録を読み度々思うことがある。言うまでもなくそれは分かりづらいという事だ。瑣末なことであるが、宛名より先に差出人の名が記され、それが許されている事実は理解出来ない。今回引用する調書は一般常識に照らし文言の順序を入…

狭山の黒い闇に触れる 440

【公判調書1483丁〜】 *1483丁には、当法廷において問題になっている、石川一雄被告人により書かれた供述調書添付の図面について“鑑定対象図面申請”が検察より出されている。 図面に現れている筆圧痕は一体何なのか、昭和四十三年十一月十九日、東京高裁に…

狭山の黒い闇に触れる 439

【公判調書1464丁〜】 ○検証の結果 一、筆圧痕が存在すると認められる図面及び筆圧痕が存在するようには認め難い図面。 1.本件記録第七冊中に編綴されている被告人の司法警察員に対する供述調書添付の図面は合計三十七枚あり、その丁数は次の通りである。(写…