時に私は狭山中央図書館・郷土資料室にこもったりする。この小部屋で狭山事件公判調書を読み耽るという、至福の時間を過ごすためだ。
問「その自転車の荷台見ましたか」
答「自転車は中古でしたね」
弁護人と証人の問答であるが、裁判官たちも当然、これを目の前で聴いている。もちろん検察側も。この噛み合わない問答に対して誰も指摘せず、裁判は進行してゆくが、やはりこの場合「新品か中古か?ではなく、荷台を見たか見ないか?という質問だ」と、問いの趣旨を明確にし裁判を進行させるべきと思う。野間宏「狭山裁判」においては、日本語の文章法という観点から公判記録を詳細に分析し指摘されているが、一般人が読んでも、疑問が湧く問答が散見されるのが、この裁判の特徴である。「日本語の作文技術」(本多勝一著)に助けられながらなんとか公判記録を読み進めているが、まず感じたのは上記の点であった。とはいえ、この雑記も読みづらいと気付き、他人の事よりまず自分だと反省する。まぁだいたいが酔いに任せて書いてるからなぁ。