アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 35

作男(農家に雇われ住み込みで田畑の耕作に従事する)が自殺する。昭和三十八年五月六日、狭山事件の被害者宅で過去に二年ほど作男をした男が、実家の井戸に農薬エンドリンを飲み飛び込む。井戸に水は無く底は湿っていたという。が、死因は溺死として処理されたとの説がある。狭山事件公判調書に目を通すと、男の自殺直後、捜査員が実家に向かい事情聴取を行うくだりが載っていた。聴取した相手は自殺した男の兄の妻であり場所は報道陣が殺到していた為、車の中であった。捜査員は刑事部長から、自殺とするならば、近い内に結婚することになって、新居が出来たという人が何故自殺するのか、その原因を調べろと特に命令された。捜査員は法廷で「兄の嫁さんを呼んで、いろいろ聞いたわけです。ところが、これにはいろいろこういう訳があると、言って自殺の原因を話してくれたんですがね、それでそういう事情にあっては結婚式の前であり、あるいは新居を作った者でもそういうことになるのは当然だと思って私は自殺というのは不自然じゃないと思ったわけです」と述べ、自殺時の状況を「隣人が待って待ってといったし、おふくろさんが追いかけたけれども間に合わなかった」とも述べている。ところでこの男の実家と新居を直線で結んだとき、その線上に天岑寺の存在が認められる。天岑寺とは被害者の足どりが途切れた場所である。(続く)                          

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