アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

狭山の黒い闇に触れる 1198

彼に会うため久しぶりに某公園を訪ねたが、もうそこにその姿は見当たらなかった。これは公園を管理する側の人々が、里親となってくれる方々に野良猫を託すという運動の結果である。園内にはその運動を誇らしげに示す看板が設置してあった。目当ての野良猫に…

狭山の黒い闇に触れる 1197

【狭山事件公判調書第二審3706丁〜】 鑑定人=上田政雄(京都大学教授・医学博士) (C)窒息死の症状についての批判 (前回より続く) (リ)鑑定事項(四)(1)に記載されている如く右手の親指と他の四本を両方に拡げて女学生の首に手の掌が当るようにして首を締め…

狭山の黒い闇に触れる 1196

【狭山事件公判調書第二審3702丁〜】 鑑定人=上田政雄(京都大学教授・医学博士) (C)窒息死の症状についての批判 (前回より続く) (ハ)C 1 ×印、〇点部を結ぶ線とその上方にある右側頸部のC3と書かれている部分は上下約三センチの巾を持ち長さ九センチに達…

狭山の黒い闇に触れる 1195

【狭山事件公判調書第二審3698丁〜】 鑑定人=上田政雄(京都大学教授・医学博士) (C)窒息死の症状についての批判 ①鑑定資料(イ)によると次のように記載されている。 (イ)上下眼瞼結膜は汚穢汚灰白色にして血管像の発現はやや著明、眼球結膜は滑沢度やや低下…

狭山の黒い闇に触れる 1194

【狭山事件公判調書第二審3696丁〜】 鑑定人=上田政雄(京都大学教授・医学博士) (B)死剛(注:1)、死後の角膜混濁腐敗ガスによる腸管膨隆等死後変化と死亡時期との関係に対する批判 ①死剛は足関節に認められるのみと鑑定資料(イ)には記載されているが、この…

狭山の黒い闇に触れる 1193

(①遺体の逆さ吊りという作業を狭山事件再審弁護団が再現実験している。それによると足首には百キロ以上の力が加わる上に細引紐が食い込み、その痕跡は鮮明に残ることか判明した) 【狭山事件公判調書第二審3692丁〜】 (A)死斑又は皮色に主に関係する事項に対…

狭山の黒い闇に触れる 1192

「五十嵐鑑定書」は狭山事件の確定判決の基礎となっている。 「確定判決」では「死斑」について請求人の自白における犯行態様や時間と死体における死斑の発現状況が矛盾するか否かが一つの争点となるが、検察側はこれについて複雑な論理操作を用いて弁護人の…

狭山の黒い闇に触れる 1191

【狭山事件公判調書第二審3686丁〜3688丁】 「第六十六回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=石川一雄被告人 * 山梨検事=「今まで証人とか拘置所の看守なんかの証言から出て来たんだが、あなたは浦和拘置所の時代ですかなあ、自殺を計ったということが…

狭山の黒い闇に触れる 1190

【公判調書3683丁〜】 「第六十六回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=石川一雄被告人 * 山梨検事=「あなたとしては対弁護士じゃなくて、君の友だちか何かに対してはその話はしたことはないか」 証人=「友だちですか、そういうことは全然しません」 …

狭山の黒い闇に触れる 1189

【公判調書3680丁〜】 「第六十六回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=石川一雄被告人 * 山梨検事=「もう一つ尋ねるが、君としては五月一日は西武園にパチンコに行ったね」 証人=「はい」 山梨検事=「却(かえ)って、この法廷で言っているような事実…

狭山の黒い闇に触れる 1188

【公判調書3676丁〜】 「第六十六回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=石川一雄被告人 * 山梨検事=「さらにその石田さんは、五月一日は何をしていたかと君に尋ねなかったか」 証人=「そんなこと聞かなかったですね、そんなことまで聞いたら自分はただ…

狭山の黒い闇に触れる 1187

【公判調書3674丁〜】 「第六十六回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=石川一雄被告人 * 山梨検事=「自分に請求されては困ると、警察に言ってくれという風に水村の奥さんに言ったことはないのかね」 証人=「あったかも知れません。自分が警察に行って…

狭山の黒い闇に触れる 1186

【公判調書3671丁〜】 (写真は事件当時の石川一雄被告。二十四歳だった彼は、捜査当局のリークにより駆け付けた共同通信社の記者によって、逮捕前という絶妙なタイミングで撮影されていた。事件とは無関係ゆえのこの表情であったが、その背後には冤罪など"な…

狭山の黒い闇に触れる 1185

【公判調書3669丁〜】 「第六十六回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=石川一雄被告人 * 山梨検事=「海老沢○江というあんたと結婚の約束をした相手は、病気で死んだんですか」 証人=「まあ、病気で死んだことは間違いないですけど、一回子供を堕した…

狭山の黒い闇に触れる 1184

【公判調書3666丁〜】 「第六十六回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=石川一雄被告人 * 山梨検事=「あなたは捜査段階、それから一審でも、いわゆる女の関係は、なかったんだと言っておったんだが、控訴審で、いや女の関係はあったんだということを言…

狭山の黒い闇に触れる 1183

【公判調書3661丁〜】 「第六十六回公判調書(供述)」昭和四十七年 証人=市村美智子(二十三歳) 裁判長は証人に対し、前回の宣誓の効力を維持する旨を告げた。 なお、別紙速記録記載の時期に証人は悪寒を訴え、貧血症の兆候が見受けられたので、裁判長は証人…

狭山の黒い闇に触れる 1182

【公判調書3657丁〜】 「第六十六回公判調書」 * 『筆跡鑑定に対する検察官意見』(前回より続く) 次に磨野鑑定には「脅迫状の筆勢は速書きできるものであり、自己の意思表現を内容として文字を速書きし、然(しか)も訂正箇所が殆どないことからも筆写能力の…

狭山の黒い闇に触れる 1181

(入間川河川敷に住む猫たちにはそれぞれ餌を配達してくれる方々がおられ、彼等は無事に安らかに日々を過ごしているようである) 【公判調書3650丁〜】 「第六十六回公判調書(手続)」 "弁護人の異議に対する検察官の意見" 山梨検事 当審第六十五回公判期日に…

狭山の黒い闇に触れる 1180

(狭山事件について語りたく、この猫に近づくも早々に拒絶される。しかし、じゃ君は佐野屋って知っているかいと迫るが、下校中の女子小学生らがこちらを指差しているのを見、老生は足早に帰宅した) 【狭山事件公判調書第二審3647丁〜】 「第六十五回公判調書(…

狭山の黒い闇に触れる 1179

【狭山事件公判調書第二審3644丁〜】 「第六十五回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=野口利蔵(四十六歳・警察官=所沢警察署捜査係巡査) * 松本弁護人=「五月二日から十七日まで聞込みをされたんですか」 証人=「はい」 松本弁護人=「そういう聞込…

狭山の黒い闇に触れる 1178

事件当時の石田養豚場。 その養豚場の不老川土手近くに置かれたスコップの様子。 ○昭和三十八年当時、狭山市内で豚を飼っている農家は九百四十八カ所あったというが、警察はスコップ発見とほぼ同時に所有者を特定した。 【狭山事件公判調書第二審3642丁〜】 …

狭山の黒い闇に触れる 1177

(事件当時の佐野屋酒店) 【狭山事件公判調書第二審3640丁〜】 「第六十五回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=野口利蔵(四十六歳・警察官=所沢警察署捜査係巡査) * 裁判長=「佐野屋でそういうスコップの話が出た後に、佐野屋で雑談して、それから夕方…

狭山の黒い闇に触れる 1176

晴天であれば、狭山市の近くを流れる入間川河川敷からは富士山を眺められ、その景観を存分に味わえる。保温ポットに入れた熱燗をちびり、ちびり飲みながら河川敷の隅で過ごすひと時は格別である。 【狭山事件公判調書第二審3637丁〜】 「第六十五回公判調書(…

狭山の黒い闇に触れる 1175

【狭山事件公判調書第二審3634丁〜】 「第六十五回公判調書(供述)」(昭和四十七年) 証人=野口利蔵(四十六歳・警察官=所沢警察署捜査係巡査) * 橋本弁護人=「スコップのこと以外で、あなたが聞込みをしたことで記憶に残っていることはありますか」 証人=…

狭山の黒い闇に触れる 1174

当時の石田養豚場。近くを流れるのは不老川。 手前が不老川であり、写真はここにかかる権現橋の北西端付近から豚舎方面(ほぼ東方)を撮影したもの。 同豚舎を西方から撮影した写真。 不老川の土手近くにあった石田養豚場のスコップの様子。 【狭山事件公判調…

狭山の黒い闇に触れる 1173

写真は事件当時の雑貨商"佐野屋"。この当時は看板も掲げず経営していたというが、現代とは違い農村地帯の奥地にあったこの地で、地元の人々しか知らぬこの佐野屋を身代金の受渡し場所に指定して来た犯人は明らかに堀兼地区周辺に居住していた者と見て間違い…

狭山の黒い闇に触れる 1172

公園のベンチで妄想に耽っていたところ、履いていた偽コンバースに赤トンボが止まった。 老生が子どもの頃、駄菓子屋には「昆虫採集セット」なる玩具が売られていて、箱の中には注射器と謎の液体入り容器が二つ入っていた。注射器にこの謎の液体を入れ終える…

狭山の黒い闇に触れる 1171

私は人影のない、それでいて陽当たりが良く、遠くに緑が見える広い場所を好む。その隅でひっそりと酒を呑み、狭山事件の公判調書に目を通すのである。 以前に、この事件及び公判調書が放つ緊張感にひたるため、堀兼・上赤坂付近の、つまり事件の関係場所付近…

狭山の黒い闇に触れる 1170

【公判調書3622丁〜】 「第六十五回公判調書(供述)」 証人=高橋乙彦(四十七歳・警察官。事件当時は埼玉県機動隊分隊長) * 山梨検事=「あなたは現在、遺留品としてカバンだけの印象が残っていると言われましたね」 証人=「はい」 山梨検事=「それは被害…

狭山の黒い闇に触れる 1169

【公判調書3619丁〜】 「第六十五回公判調書(供述)」 証人=高橋乙彦(四十七歳・警察官。事件当時は埼玉県機動隊分隊長) * 宇津弁護人=「そのあとは別の事件の捜査に回ったんですか」 証人=「捜査じゃありません、警備ですね(注:1)」 宇津弁護人=「その…