アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 34

前回からの続きである。戸門クラ〈石田養豚場の隣家〉が「五月一日の夜、犬がほえた」と述べた供述調書が検察庁にあり、一九七七年八月三十日の時点で弁護団が開示請求している件である。一審、二審を通じて証拠としては提出されていない。私が前回述べた「さらなる問題」とはまず、警察・検察側がこの供述調書を隠す理由は、養豚場の犬に吠えられずスコップを盗んだ者がおり、それが可能なのは養豚場関係者である、という論理である。対して弁護団側はスコップに付着した土壌鑑定により、発見されたスコップは石田養豚場のものではない、という立ち位置なのであるが、ここに問題の、戸門クラ調書が表出してくると双方の主張共に論理破綻が起きるのではないか、と気がついた。犬に吠えられスコップを盗んだ場合、養豚場部外者による盗難となりえ、警察・検察は困る。弁護団側にしてもスコップは養豚場から盗まれた事が証明されてしまうからだ。ただし、あくまでも戸門クラ調書がスコップ盗難と直結していると考えれば、であるが。とするとである、五月一日の夜、養豚場の犬が吠える事実はあった。五月十一日に発見されたスコップは土壌鑑定により犯行とは無関係となり、私の稚拙な推論を言えばスコップに関する限り、真犯人がスコップを現場まで持って行き犯行後持ち帰り、麦畑で発見されたスコップは無関係、と考えるのが一番無理がないと思うのであるが。なお、麦畑でスコップが発見された時、警察が特定の養豚場に直行した動向を見る時、何故そこになのか、何故そこでなければならないのか、得体の知れない闇の意思が垣間見られるのである。繰り返しになるが、戸門クラ供述調書が開示請求に従い証拠として提出された場合、警察・検察及び弁護団はこの供述調書をどのように捉えるのか、私は非常に興味を覚えるのである。                                                    

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