アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

吉展ちゃん事件本 其の三

(裏表紙に何か書いてあるが私には読めない)                

f:id:alcoholicman:20210711223222j:plain進んでは戻り、また進むを繰り返し読み込んでいる。録音された犯人の音声から、福島県出身者と割り出した学者は、さらにここから、犯人像について突っ込んだ見解を述べ始めるのだ。体重六十〜七十キロ、歯は丈夫、召集令状赤紙を受け取っていて、旧軍隊を下士官で除隊、軍人恩給の受給資格を得たかもしれない。日焼けして浅黒い、視力は普通以上、首すじに陽焼けのあと、肉食・脂肪分を好み酒もたしなむ。年齢四十〜五十五才、独身、ひげをたくわえ、太い眼鏡をかけ・・・とまだまだ続くのだが、果たして「音声」から、ここまで犯人像を割り出せるものなのか。事件から二年後に犯人は逮捕されるが、この時大活躍した名刑事、平塚八兵衛氏はこの書物に目を通しただろうか?    併読中の「昭和事件史」(加太こうじ著)だが、 

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これの175ページに次の記述を見つけた。「前橋刑務所から警視庁に、服役中の小原という男が夜中にうなされて、子どもを殺したようなことを口走る。もしかすると二年前の吉展事件の犯人ではないか、という通報があった。それで身柄を東京拘置所に移して小原に対する取調べがはじまった。前橋刑務所で服役中の小原をあやしいとみて調べたことがあるが、そのときはうまくごまかした。しかし東京の調べでは逃げきれなかった。」私は、この事件が解決できたのは平塚八兵衛と部下達の捜査力に集約されていたからだ、と関連本により解釈していたが、刑務所でうなされている男を警視庁に通報という側面があったのを知り、物事はもっと多角、多面的に調べなければならないと自分を恥じたのだった。