アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 1384

 「狭山事件・現地からの報告(たいまつ社)」に載っている、事件当時山狩りに従事した消防団員が語った「穴倉から被害者の所持品(カバン)らしいものを発見している」という記述は、「検証・狭山事件(伊吹隼人=著)」においても記載され、両者の情報は符合しているものと思われる。そこで今回は「検証・狭山事件(伊吹隼人=著)」より該当する箇所を引用させていただいた。

(著者自身が現地に赴き、関係者等へ取材を敢行しているという点で本書はなかなか奇特である)

   以下、カバンに関する記述のみに焦点をあて引用する。

                                             

   「(略)警察から出された『特別重要品触れ』に『横二十六・七センチ』などとカバンのサイズまで詳細に明記されている点は何とも不思議である。すでに発見されているカバンのサイズを計測した上で、ついうっかり掲載してしてまったことも考えられるが・・・(著者談)」

                                             ♢

(以下は著者による、山狩りに参加した消防団員S氏への問答)

問:「最初に確認させて頂きたいのですが、被害者の遺体を発見されたのはSさん、ということでよろしいんですか」

S氏:「そう、私の方で見つけてるね・・・。その時は機動隊員と二人一組になって捜索やったんだけど、それでWって隊員と一緒に発見したんだよ」

問:「裁判ではOという方が第一発見者になっているんですが、あれは違うんですか」

S氏:「ああ、あれはね、別の分団で隊長やってた人」

問:「そうなんですか・・・。では、Oさんが直接見つけたわけではないと・・・」

S氏:「そうだね。最初に見つけたのは我々だったから」

問:「あと、当時の週刊誌を見ると、Sさんが"善枝さんの持ち物を見つけた"って出ているものもあるんですが、あれはどうなんでしょうか」

S氏:「ああ、カバンか・・・」

問:「やはりカバンがあったんですか」

S氏:「でもあれ・・・場所が違うんだよな」

問:「え・・・どういうことなんですか」

S氏:「置いてあったの」

問:「・・・・・・え」

S氏:「あの死体発見現場の横には茶垣が一列になってあったでしょう・・・カバンはその根元に置いてあったんだよね」

問:「その話は初めて聞きました。そうだったんですか・・・。これまでの報道とは全然違いますね。でも、茶垣の下っていうことは、何か隠すような感じで置かれてあったんですか」

S氏:「いや、違うね。普通に置かれてあった。通り(農道)からすぐ見えたからね」

問:「Sさんはその時、カバンの中身はご覧になったんですか」

S氏:「いや、それは見なかった。我々(消防団員)だけだったら見たんだろうけど、警察の人が一緒だったからね」

問:「でも、これは確実に善枝さんのものだろうと」

S氏:「そう。学生の使うようなものだったから、『こりゃあ、間違いない』ってことになって。それで、『(死体が)埋まってんのはこの辺りなんじゃないか』って思って見回したら、それらしいところがあるじゃない。新しい土が出てて、軟らかくなっているようなさ・・・。だから二人で『掘ってみよう』ってことになった。それで、確か近くに農作業やってた人がいたんで、その人に農具を借りたんだな」

問:「当時の報道記録を見ると、『おかめ(草かき)を借りた』って出てきますよね」

S氏:「そう。それを借りて、しばらく掘った。そしたら荒縄が出てきて・・・。それで、それを引っ張ったら(死体の)手が出てきたもんだから、もう、びっくりしてね」

問:「その後はどうなさったんですか」

S氏:「現場保存のために、一回埋め戻した。それから他の人たちを呼んだね」

問:「カバンはどうなったんですか」

S氏:「機動隊の人に渡した。だから、そっちで持っていったと思うよ」

問:「でも、カバンはその後、一か月半も経ってから、捕まった石川さんの自白に基づいて、全然違う場所から発見されているわけですよね。そのニュースを聞いた時は不思議に思いませんでしたか」

S氏:「・・・・・・不思議に思ったねぇ・・・・・・」

                                             ♢

◯こういった話は当時の弁護人の耳にも入っていたと思われるのだが、公判廷においてはまったく触れられておらず、捜査当局の作為を明らかにできたかも知れないこの情報を詳細に追及できなかったことは非常に惜しいものと言える。