アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 410

 

【公判調書1419丁〜】証人=青木一夫(五十三才)・警察官(証人として出頭時は草加警察署長)

弁護人=「あなたは川越へ行って初めて石川君を取り調べるようになったわけですね」

証人=「はい」

弁護人=「リコピーで取ったのもあると言うが、時期的にリコピーを使った時期があるのですか」

証人=「リコピーはずっと続けて使っていました」  

弁護人=「初めからリコピーを使っていたわけですね」

証人=「はい。リコピーがあったのは川越ではなく、堀兼の捜査本部に備え付けてありました」

弁護人=「リコピーによる謄本は堀兼の捜査本部まで持って行って取ったのですか」

証人=「送致記録は堀兼に全て集まりました」

弁護人=「堀兼の捜査本部へ調書が集まるのは、調書が作成されたその日ですか」

証人=「その日の場合もあったでしょうし、その翌日の場合もあったと思います」

弁護人=「三日も四日もたまっていて捜査本部へ送るということはなかったのですか」

証人=「そういうことは無かったろうと思います」

弁護人=「そうすると、出来た調書はその日か、その翌日ぐらいには捜査本部に行っているわけですね」

証人=「そうです」

弁護人=「謄本をリコピーではなくて本人の書いたものの上をなぞって作ったのは、どこで作ったのですか」

証人=「大体、川越が多かろうと思いますが、堀兼で取ったものもないとは言えないと思います」 

弁護人=「そういう謄本を作った人の名前を思い出せませんか」

証人=「覚えております」

弁護人=「覚えているところを言って下さい」

証人=「当時巡査部長だった清水輝雄、狭山警察署の松本武雄、捜査一課の樫警部補、まだ他にも何人かいると思います」

弁護人=「大体、今挙げたような人達が川越分室に詰めていたということになるわけですね」

証人=「樫警部補は堀兼だったか、あまり記憶ははっきりしませんが、松本とか清水とかは居たと思います」

弁護人=「参考人調書の謄本も、原本が出来た直後ぐらいに作ったのですか」

証人=「重要なものは作ったと思います」

弁護人=「参考人調書に添付された図面があると言ったが、どういうのがあったか覚えていますか」

証人=「調べて頂ければきっとあります

裁判長=「記憶は無いのですか」

証人=「覚えはありません」(続く)

*執拗に競馬場ネタを繰り返し恐縮であるが、賭場で散財、放心状態の廃人たちが吹き溜まるこの特殊エリアから後ろを振り返ると、そこには重厚で冷たく、無駄に広い、気のせいか薄ら笑いを浮かべるコンクリート製の強制集金所、すなわち東京競馬場がそびえ立つ。

この建築物から漂う「ほ〜ら、賭けな、懐の金を全て吐き出すんだよ!」というオーラが、意志の弱い人間達を地獄の底へ叩き込み、そうした犠牲者達のおかげでこの競馬業界は成り立っている。このような状況の中、内馬場の芝に寝転び、狭山事件公判調書を熟読できた老生は幸せである。図書館などより読書好きには最適な環境かも知れない。