アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 67

前回からの続きである。長谷部警視が石川被告の取調べにあたり、要注意人物である清水利一警部をその任から外す。しかしその時点では石川被告は別件、つまり窃盗、恐喝、暴行での逮捕、取り調べの時期でありそれらの取調べにおいて、なぜ清水利一を外すのか、ここに長谷部警視の先走った思惑が垣間見れるのである。石川被告に殺人事件を自白させるという目的が頭にあるゆえ、であるならば件の問題児を取調べから外しておかなければ危険である、と考え本件である強盗強姦殺人、死体遺棄の逮捕前に清水利一警部を外すのである。別件逮捕の時点で、すでに石川被告を犯人と考え自白まで持って行こうとする長谷部警視の思考がその行動を生んだのである。これに触れる場面が公判調書に見られる。464丁。弁護人「その頃は、被告人は自白していないのではないか」長谷部証人「そうです」弁護人「すると、証人は、被告人が後に必ず自白すると思ったのか」長谷部証人「それはわかりませんが、一応、脅迫状の関係で、容疑者として逮捕しているわけで、その責任者であるから大事をとってそういう風に上司に上申したわけです」・・・。強盗強姦殺人、死体遺棄について石川被告が自白するか、それはわからないが、前もって別件逮捕段階で清水利一警部を外すのであった。                                                      

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(シガーは強敵である。この映画は半年に一度は見たくなり、下手な薬物より中毒性が高い。しかし、今ここでコーエン兄弟の映画に対する哲学や思想を語るのはよそう)