アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 359

【公判調書1324丁〜(8/21)】

供述調書(甲)石川一雄

右の者に対する恐喝未遂被疑事件につき、昭和三十八年六月二日狭山警察署において、本職は、あらかじめ被疑者に対し自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げて取調べたところ、任意次のとおり供述した。

(一)私が入間川の自動車修理業木村正一さんの奥さんから、私の友人東島明が、堀兼の高橋良平さんから借りたオートバイを破損して、水村正一さんの処で修理するよう仲に入って話をした事で、東島がその修理代を払わない為、私の処へ請求された事がありますから申上げます。それは本年四月二十七日か二十八日又は三十日の何れかの中の午前中のことです。私が家に居りましたら、そこへ三丁目の水村正一さんの奥さんで名前を知らない三十四、五才くらいに見える女の人が来て、この前貴君が中に入って東島さんが高橋さんから借りて乗ったオートバイの修理代三万二千八百円とかを未だに支払ってくれないから何とかして貰いたいと申しましたので、私はその時奥さんに対して、それでは警察へ行って話してやる、と言うと奥さんはよろしくお願いしますと言って帰ってしまいました。私はその時東島の処へ行ってやる等とは言いませんでした。私がその時警察へ話すと言った意味はその事で三月頃狭山警察へ来て話しをしてあるからです。

(二)水村正一さんの奥さんが来た時、私方へ来ていたのは五十子米屋の倅か木村酒店の主人が居た様に記憶しておりますがどちらか判りません。

(三)水村正一さんから請求された金は私が保証人なった訳でもないし払う必要もないので、それはあくまで東島が支払うべきものです。東島が破損したオートバイは私が高橋良平から借りたものでは無く、はじめは石田豚屋の石田義男が高橋から借り、それを私が借り、それを又東島に貸して東島が乗っている中破損したものです。その様な状況で私には全然関係のない事では有りませんが、修理代を払う責任は東島明という事になります。

右のとおり録取して読み聞かせたところ誤りのない事を申立て署名指印した。於狭山警察署助勤  刑事部捜査第一課  司法警察員  清水利一

本文とは関係ないが、先日、所沢古本まつりに出かけ一冊の本を購入する。「放火魔・死刑囚古川義雄連続放火事件」・・・五百円である。戦前の西日本一帯で、判明しただけで五十五件の犯行を繰り返していた稀代の放火魔に迫る、読み手にも緊張を強いる内容となっている。そろそろ訪れる、秋の夜長を楽しむには格好の獲物である。