アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 57

私は、警察官 関 源三(四九)に対し誤解をしていた。石川被告と少年野球などを通し、良き先輩として接触していたと私は解釈していたが、事件を境に、自身が属する組織に軸足を置き、上司を向きながら被告に接する様が私には垣間見れた。以下に昭和四十年九月二十八日に石川被告が提出した上申書から掻い摘んで記すが、これは九月二十一日に証人として出廷した関  源三が中田弁護士の問いに対する証言を指しながら「こんな曖昧な答えでも良いのでしょうか」「証人も警察の立場として苦しいのは良く判って居りますが、それでは真実が得られないではありませんか」そして更に「証人が語ったのはあらかた嘘です」と猛烈な内容の上申書となっている。私は社会に出てからしばらく後、日頃から慕っていた先輩が自分に対し奸計を働かせていたと判ったとき、一切の関係を断ち切った経験があるが、石川被告の場合はその状況が全く違い、命にかかわる、そして関 源三に限らず警察側の捜査員全てが事実を述べない限り死刑判決が覆らないという、極限状況に置かれた中での上申書の文面は重く、私が行なった「一切の関係を断ち切る」ことも許されない彼の置かれた状況は文字通り想像を絶するのであった。                                                                               

f:id:alcoholicman:20211115204331j:plain

(1972年製造のハイライトを入手した。未開封である)