アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 205

(前回より続く)昭和四十三年三月、東京拘置所に勾留中の石川一雄氏が裁判長に提出した上申書、その二項目の内の二つ目、これを引用する。「二、裁判長殿の故意で長引かせているとは思いませんが、私が犯してない事はすでに解っていただけたと思っています。先日ある雑誌の二月号で裁判長が手がけた石和事件(三十一年)の小林藤平さんの欄を見ましたが、あれと私と全く同じケースで、警察官の有無を言わさず押しつけたものでした。小林さんは証拠不十分という後味が悪いすっきりしないで出ましたが、幸い矢田一法氏の息子である朝日新聞社会部の矢田喜美雄記者が、特別弁護人という方法でやって下さったそうですが、その小林さんも昨年没したとか、何にせよ、浦和にて同房だった池田正士さんを何故証人に立てて頂けないのでしょうか。長谷部課長さんとの約束したことについて皆話してあるのに・・・裁判長殿はどうしても私を死刑にしようとして警察官が不利になるような証人は採用しないのでしょうか。石和事件の証人(矢田一法氏ではない、一審だが)を思い出していただきたい、この石和事件の小林藤平さんの証人として呼ばれた証言の一部を記入してみると、自弟に対する傷害致死という罪名で小林さんは甲府刑務所に勾留された時、矢張り私と同様に同房にいた岐阜県の工員山口某氏に自分の真相を話したそうで、その為山口某氏は証人に呼び出され、池上検察官の『被告人、小林は自分の事件の話を証人にしたことがあるか』との問いに対し、山口氏は『私は検察庁の留置場に入れられた時、大森さんと小林藤平さんが昼食時間に一緒になりまして、小林さんが涙を浮かべて警察では自分の真実を訴えようとしたが、ああしろ、こうしろといって私の言う事は取り上げてくれないと申して居りました』などと証言したそうですが、この事実を見ても、如何に警察官の計略が多いかお解り頂けるでしょう。要するに私が言いたいのは池田正士さんを証人に立たせてくれと言いたいのです。その理由、以前無罪を主張してから数ヶ月後、検事が私に対し『被告人は東京拘置所において萩原祐介なる者が面会に来た際、無罪を言えといったので萩原の言う通りに従ったであろう』などと如何にも何でも見通しなんだと言わんばかりの事を言ったからです。然し、その前、要するに浦和にて、すでに誑かされ、事に気づいたので、同房の人達に事の真相を話し、且つ池田正士さんには詳しく話してあるから萩原佑介さんに言われる前だったことを証明する為お願いするのです。又、私が犯してなかったらどうなるのでしょうか。別に死刑が恐くて殺してないといっているのではありません。が、自分で犯していないので殺される筋合いがないので裁判長殿に上申書にてお願いする次第であります。裁判長殿の速やかなる御審理の程お願い申し上げます。 昭和四三年三月一六日 石川一雄」……       以上が上申書の二項目めである。                                   
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「ここは自宅押し入れに設立された“芋焼酎ブレンド研究室”である。二千円以内で集められた芋焼酎を、高度で最新の芋焼酎学を応用し、配合具合・湯の温度・寝かせ具合等を試験し、私の舌で結論を出し、コッソリ晩酌するのである。だが、私の肝臓がその日まで持つのか、目ん玉が潰れるのが先か、これだけは神任せである」