アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 892

写真は証人=関 源三巡査部長(階級は事件当時のもの)

【公判調書2781丁〜】

                    「第五十三回公判調書(供述)」

証人=関 源三(五十五歳・飯能警察署勤務、警部補)

                                            *

宇津弁護人=「それから六月二十一日、その同じ日付の、青木一夫さん、立会人遠藤さん。この人たちが作った調書があるのですが、あなたは青木さんたちが・・・まあ、あなたが調べた後になるんだろうと思うんですが、調べていた部屋にいたとか、そういうことがありましたか」

証人=「出たり入ったりしてました。ずっと立ち会うというのは、私はなかったんです」

宇津弁護人=「青木さんたちに、石川君が鞄についてどのようなことを聞かれたり述べたりしていたか、耳に挟んではおりましたか」

証人=「それは知りません」

宇津弁護人=「あなたが同じ日に、青木さんたちが調べる時に出たり入ったりしていたというのは、何の用件があったんですか」

証人=「お茶を持って来いとか、何とか。そういう時にお茶を持って行ったりなんかしたです」

宇津弁護人=「あなたが、石川君に聞いたという時点では、つまり、最初の図面を書いてもらったという時点では、当然、鞄とゴム紐を一緒におっぽったというんで教科書も鞄の中に入れたまま、おっぽったという理解であったわけですか」

証人=「一緒におっぽったということは、その中にそのまま入っていたんじゃないかという風に思ったわけです」

宇津弁護人=「同じ日の青木さんの調書の中では今度は本と鞄は別々だということが現われてくるわけですがね、その辺のいきさつをご存じですか」

証人=「いや、それは、調べにわし行ってないんで分からないです」

宇津弁護人=「あなたが最初に捜しに行って無かったというのであれば戻ってきて、今度青木さんがやはり鞄を捨てた場所について調べている模様については見てるわけではないですか」

証人=「私は行って、ただ無かったというだけで、そこに、調べには立ち会っていませんです」

宇津弁護人=「いや、青木さんたちが鞄のことで聞いたり図面を書かしてることを見てるんですか」

証人=「図面の時は私は一緒にいました」

宇津弁護人=「その段階では、当然、本と鞄は別々なところだという話題は出てたのではないですか」

証人=「いや、私が飛びこんだ、というとあれですが、その部屋へ入りまして、いや、行ってきたけど無かったよと、そう言ったところが、その時少し間があったんですけれども、それで、じゃあ今度、ここだからもう一ぺん行ってくれと、石川さんが書いたんで、その時だけは私いたんですが、それを持ってまた部屋を飛び出したんで、あとは、調べの状況は分からないです」

宇津弁護人=「それでは、第二回に行ったというならば第二回目の時は、今度はあるという心証を持って行ったんですか」

証人=「あるかも知れないというような感じはあったです」

宇津弁護人=「しかし客観的には第二回目の時には、川越からとそれから捜査本部ですか、そのほうから、かなりの人数を動員して落ち合って行ったようですね。鑑識も連れてね」

証人=「はい」

宇津弁護人=「警察としてはその図面で行けば必ず鞄は出てくるだろうという考え方があったのではないですか」

証人=「私はあるかも知れないというような感じはありました」

宇津弁護人=「それはどういう理由でそのように考えられたのですか」

証人=「図面から行きますと溝の中なんです。溝は私は見てないから、あるいはあるかなという気がしたんです」

宇津弁護人=「六月二十一日に、あなたが調べをしたというんですが、あなたが鞄のことを調べたという時期には、教科書ノートなどが客観的にはすでに発見されていた時期になるわけですね」

証人=「ええ、そうです。あとで聞いたからそれは分かります」

宇津弁護人=「石川君は、ポリグラフ嘘発見器にかけられた時に、本が出てきたところを示されてテストされてるようなんですが、そういう模様は証人はご存じですか」

証人=「いや、全然知りません」

宇津弁護人=「本がどこから出てきたか、後で知ったというんですが、それではいつ頃知ったことになるんですか」

証人=「それは川越にいるうちですから、六月のいずれにしても二十六、七日じゃないかと思うんですが」

宇津弁護人=「どういう機会に知りましたか」

証人=「それは皆が話していたのを聞いたんです」

宇津弁護人=「しかし、それより一ヶ月以上も前に五月二十五日に教科書類が発見されたということで、警察では大変な話題になっていたはずなんですがね」

証人=「それは、この間の時も先生に言われたんですけれども、私のほうは捜査やってないから、ほかの人は誰も話さないんです」

宇津弁護人=「ちょっと待って下さい、仮に警察からでなくてもゴム紐発見、教科書発見、死体発見というのは当時の狭山事件、善枝さん殺し事件で大きな話題になっていたと思うんですが、当の、直接何をやっていたかは別として、警察官の一人であるあなたが五月二十五日頃にすでに教科書が出てきたのだということを知らないというのは、ちょっと理解できないんですが」

証人=「この間、先生に言われた通りなんですけれども、当時直接捜査にあたっている人はいろいろ分かると思うんですけれども、ほかの係の者には、捜査の人も状況は全然話さないし自分の仕事で追われていて、そういう間がない、間がないというとあれですけど、こっちも、どうだという風に捜査の状況を聞こうともしなかったから尚分からなかったです」

宇津弁護人=「あなたは当時、テレビを見たり新聞を見たりする習慣はありましたか」

証人=「テレビなどおそらく見たことありません」

宇津弁護人=「新聞はどうですか」

証人=「新聞もたまっていたのを大きい記事だけひょっと見ただけであの当時の狭山の署員は何て言いますか、ゆっくり新聞を見てる余裕はなかったです」

宇津弁護人=「あなたは、テレビを見ない、新聞もろくろく見ない状況というのは、どういう特別な状況があったんですか」

証人=「それは夜も遅くなって、数が、結局人員も少ないし、雑用に追いまわされ、まあ追いまわされてると言うと何ですが、雑用に使われ、夜も、帰りも遅いし、署ではテレビを見てる間もないし、あの頃は自分でテレビを見たことはありません」

宇津弁護人=「あなたの自宅で新聞は取ってましたね」

証人=「取っております」

宇津弁護人=「何新聞を取ってましたか」

証人=「あの頃は読売です」

宇津弁護人=「ざっと新聞に目を通す程度はやっておったんじゃないですか」

証人=「朝起きると、上だけちょっと見て飛び出す程度です」

宇津弁護人=「新聞の各紙面をさっとめくって目を通すぐらいのことはなさっていたのですか」

証人=「はい」

(続く)