アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 1161

遺体発見現場近くの芋穴。これは収穫した芋を貯蔵するための穴である。

【公判調書3602丁〜】

                      「第六十五回公判調書(供述)」

証人=高橋乙彦(四十七歳・警察官。事件当時は埼玉県機動隊分隊長)

                                            *

城口弁護人=「芋穴は誰が発見なさったんですか」

証人=「結局農道ですか、あれに添ってあるわけですね。それで、行きましたら誰が発見したかということはちょっと記憶ないんですが・・・・・・」

城口弁護人=「初めに発見したのがあなただということはどうですか」

証人=「ここにあるというので中をのぞいて見たわけです」

城口弁護人=「ここにあると言った者は別の誰かですか」

証人=「それが誰か先に行った者が私に言ったものか忘れました」

城口弁護人=「少なくとも、あると言われてすぐにあなたが見たという点については間違いないんですね」

証人=「そうです」

城口弁護人=「そうすると芋穴というんですが、どういう形態であったかご記憶ですか。入口の様子なんかは」

証人=「直角に下に下がっている穴ですね」

城口弁護人=「入口には何か特徴がありましたか」

証人=「入口には何か蓋が、セメントみたいな蓋があったような、閉めて、そういう気もあるし、それが取ってあるような気もあるし、その点閉めてあったかどうかちょっと不明ですが」

城口弁護人=「はっきりしないが、取ってあったような気もするし、閉めてあったような気もするし、少なくともコンクリーの蓋のようなものがあったと思う」

証人=「はい」

城口弁護人=「あなたが見る前に他の分隊の者がそこを見たとかいうような様子はないですか」

証人=「分隊が、ほかのがそこを通ったかどうかは分かりません」

城口弁護人=「少なくともあなたの分隊の人たちがその捜索の過程で最初に発見したという印象があるわけですね」

証人=「はい」

                                            *

(参考写真)

城口弁護人=「(原審記録第二冊、大野喜平作成名義の実況見分調書添付写真一四号五八九丁を示す)これをご覧下さい、あなたが見た時にはこのような状態だったという記憶ですか」

証人=「現在の記憶では、こうなっていたかどうか記憶ないんです」

城口弁護人=「あなた先ほど中をのぞいて見たということを言いましたが、そのままのぞけば見えたのですか」

証人=「その蓋が閉まっていたか、開いていたか、記憶ないんですが、芋穴ということで見ております」

城口弁護人=「あなたが自ら見たわけですね」

証人=「ええ、隊員を中に入れて見ました」

城口弁護人=「隊員を中に入れる前に中の状況を見分出来たということではないんですか」

証人=「入れる前には何か棒みたいなものが入っていたような気がしますが」

城口弁護人=「そのほかには何か気付いたことはありませんでしたか」

証人=「上から見た時は棒だけという風に記憶しております」

城口弁護人=「それで隊員を入れた時、何が発見されたんですか」

証人=「棒きれとビニールの風呂敷です」

城口弁護人=「ビニールの風呂敷はどのようなものですか」

証人=「白いものだったと思います」

城口弁護人=「そこらに単純にあるものか、それとも」

証人=「何かお祝いの風呂敷のような、ちょっとそういう記憶があるんですが」

城口弁護人=「棒についてはどのようなご記憶ですか」

証人=「一メートルくらいの、何か、そこらの雑木だったと思います」

城口弁護人=「何か特徴はありましたか」

証人=「棒には特別特徴というのは記憶しておりませんが」

城口弁護人=「何か付いているとかいうことはどうですか」

証人=「現在記憶しておりません」

城口弁護人=「その棒は、ただすぱっと切ってあるものだったか、割れていたとか、よじれていたとか、その辺はどうですか」

証人=「先の方が折ったような棒だったかも知れません、手で折ったか何か、ちょっとそこのところが」

城口弁護人=「割れていたような記憶はないですか」

証人=「割れていたような記憶は・・・・・・」

城口弁護人=「裂けていたような」

証人=「はあ、何かおっかけたような感じの棒だったと記憶しておりますが」

城口弁護人=「記憶は曖昧だと」

証人=「はい」

城口弁護人=「棒の先に泥が付いておったというようなことについては記憶ないですか」

証人=「現在忘れましたが」

(続く)