アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 577

【公判調書1772丁〜】「事実取調請求書」

第二、A7、A9、A11との付着土壌、印象条件の異同を対比し、この疑問解明のための資料とする。

第二、提出命令等

   一、差押えるべき物

   1、被害者中田善枝の自転車、万年筆、身分証明書および脅迫状、封筒等から採取された指紋、ならびに指紋照合の結果、指紋に関する捜査書類等一切の記録。

   2、昭和三十八年六月十八日付小島朝政作成捜索差押調書。

   二 、提出を命ずべき保管者

埼玉県警察本部および東京高等検察庁

   三、証拠開示命令

検察官に対し、手持金証拠の開示を命ぜられたい(理由の詳細は、昭和四十三年九月二十四日付"検察官に対する求釈明等の申立")。

第三、証人〈その一〉(○=証明すべき事実)

番号1.植木幹雄(当時狭山市入間中学校教諭)

○五月一日、狭山市立中学校の体育大会が行なわれ、生徒を引率して行ったこと。その際の生徒の服装、持物等。帰りの経路、状況等。

       2.杉田文平

○上同

       3.犬竹   幸(当時、いわゆる山学校の高橋方の手伝い)

○五月一日午後、出会い地点近くの畠で仕事をしていたが、被告人らの姿を見かけなかったこと。

       4.石川美智子

○五月一日の行動。当時使用していたノート類の数、状態。脅迫状のために破りとられた痕跡がないこと。雑誌「りぼん」「なかよし」等について。

       5.高村   巌

○本件鑑定においてとった鑑定方法とその科学的根拠。サンプリング抽出方法。筆跡鑑定における相異性の重要性と、本件鑑定資料に存在する相異性。その他本件鑑定の内容について。

       6.加藤    豊(当時川越市赤心堂病院医師)

○昭和三十八年六月二十二日川越署分室で被告人を診察したこと。その際の模様。

       7.中田直人

○弁護人としての活動にあたり、被告人との接見が妨害され、また接見状況が秘聴されていたこと。昭和三十八年五月二十日の接見の状況。第一審判決直前の接見の際の状況。当審第一回公判前、被告人から公判廷で発言したい旨相談を受けたが、その内容は説明されなかったこと。

       8.河本仁之

○検察官として本件捜査に関与した経緯。第一次逮捕勾留中の被告人に対する取調状況。再逮捕前後の浦和地検の方針。再逮捕後の被告人に対する取調状況。石田兄弟、東島明らに対する取調状況。被告人の家族に対する取調状況。当審第三検証における、五月二日夜の往復路指示の根拠。

       9.中      勲(当時県警刑事部長、本件捜査本部長)

○本件特別捜査本部の組織、人員等。本件捜査にあたっての方針と捜査の概要。浦和地検との協力体制、とくに、第一次逮捕の根拠とした資料等。奥富玄二に関する捜査の状況。被害者の鞄、万年筆、腕時計を警察が入手した時期と経過。

    10.竹内武雄(当時狭山署長)

○狭山署の本件捜査体制。被告人と弁護人の接見状況およびこれを秘聴したこと。狭山署勾留中被告人を取調べたことの有無。被告人との会話の状況。弁護人以外に被告人に接見した者の有無。昭和三十八年六月二十三日ごろ、関巡査部長を川越署分室へ派遣した経過。

    11.将田政二

○死体の荒縄、細引、手拭、タオルの結び目についての捜査状況、とくに結び目の特徴について。死体発見現場から数百メートルの林の中に堀立小屋を発見したことの有無。草刈ガマ、荒縄、エロ雑誌、ペン習字帳等を発見したことの有無。丸京(郷)青果の荷札についての捜査状況。本件各証拠物からの指紋採取とその捜査。被害者の鞄、万年筆、腕時計を警察が入手した時期と経過。

    12.長谷部梅吉

○死体の荒縄、細引、手拭、タオルの結び目についての、被告人に対する取調状況。被告人の供述調書、添付図面およびその謄本の具体的作成状況。中川えみ子方の荒縄捜査について。奥富玄二に関する捜査について。狭山署における足跡採取の状況。その他被告人に対する取調の状況。

    13.諏訪部正司

○狭山署において被告人と接見した者、その回数および被告人に面通しさせた者の数と氏名。狭山署勾留中の被告人調書、その謄本の具体的作成状況。狭山署における足跡採取の状況。再逮捕の際の詳細な状況。

    14.青木一夫

○被告人の供述調書、添付図面およびそれらの謄本の具体的作成状況。死体の状態に関する被告人取調の状況。東島明の取調状況。被告人を取調べるようになった具体的理由。その他被告人に対する取調の状況。

    15.小島朝政

○被告人宅における三回の捜索差押について。美智子のノートに関する捜査の状況。被告人宅から押収したボールペンの数とこれについての捜査の模様。雑誌「りぼん」を警察が入手した時期、方法、入手先。

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①引用にあたって尋問見込時間は省略した。

②長文ゆえ「第三、証人」は二回に分け引用する。

③冒頭にある二つの"第二"は原文通りである。

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公判調書の引用とは別に、狭山事件に関する疑問が湧いた場合、速やかにそれを記録してゆくことも大切かなと思う。
 
被害者の遺体解剖の結果、胃内容の食物残渣に小豆(の皮)、人参、馬鈴薯、玉ねぎ等が確認されているが、これは五月一日(事件当日)、川越高校入間川分校家政科一年生(中田善枝も含まれる)が二〜四時限目に行なった調理実習および試食(昼食を兼ねる)でのカレーライスの材料とほぼ一致(同級生の証言では、これに肉と福神漬が加わる)する。だが、解剖結果ではこれらとともにトマトが含まれていた事も判明するが、少なくとも事件当日の被害者の行動が目撃されている学校内、立ち寄った郵便局、毛糸屋等で被害者がトマトを食べていたという証言はない。徒歩または自転車での移動中に食したとも考えられず、いつ、どこでトマトを食べたのか不明である。なお、石川一雄被告人の証言に被害者がトマトを食べたという供述は見当たらず、そこを追及するのが当然と思われる警察当局も当該トマトの件には一切触れていない。