アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 96

公判調書734丁〜。問うのは中田主任弁護人。証人:石田一義( 養豚業・三十才 )。ここでは、石田証人の業務内容や、石川被告人と石田養豚場との関わり、さらに養豚場内のスコップ、飼っていた犬などについて問答が行われる。話しは、業務上発生する死んだ豚の処理に移り、中田弁護人の:「どこへ埋めたのか」に対し、石田証人は:「脇の畑に埋めてもらいました」と答えた。「もらいました」との意味は、この埋める作業を石川被告人に頼み、行われたことを指す。中田弁護人:「証人のところでは二日か三日に一回一頭の豚を殺していたのではないか」石田証人:「そんなことをやっていたら商売があがってしまいます」中田弁護人:「かなりはげしい回数、豚を殺して皮を剥いだり、その肉や臓物の処理をするという作業をしていたのではないか」石田証人:「何回かはやったことはありましたがそんなにはげしくやった覚えはありません」・・・。石田証人によると、石川被告人が養豚場で働いた期間は四カ月、昭和三十七年十月頃から三十八年二月いっぱいであり、この四カ月の在籍が警察の目にとまり、やがて事件の生贄として祭り上げられる要因となる。なお中田弁護人と石田証人による問答は非常によく噛み合っており、調書を読むにあたりさしたる問題はない。本来ならば、弁護人の問いに対し明確に答える石田証人と、前回まで登場した小島証人のあやふやな証言ぶりとを比較し、弁護人との問答において両者が何故このような極端な違いを見せたか、そこまで踏み入りたいのであるが、となるとこれは証人それぞれの内在的論理の解明などと、話しは専門的な分野に広がり、到底私ごとき凡人には手が追えなくなるのである。追えないけれども、一般的な感覚でもって、ある程度まで迫れないか、などと酔った頭で考えるのであった。                                                                  
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( 当時の石田養豚場。“無実の獄25年”狭山事件写真集:部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部編 : 解放出版社より引用)