アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 111

公判調書835丁。石川一雄被告の兄、六造氏はいよいよ三回目の家宅捜索時における、万年筆発見の模様について語る。問うのは中田弁護人。しかし、この三回目の家宅捜索の模様を語る前に、第二回目の家宅捜索がどれほどのレベルで行われたのか、弁護人が六造氏に証言を求めた。六造証人:「 炊事場のほうに行ったんです。で、天井裏なんかに、ねずみの穴があって、ボロきれなんかでふさいであった穴がいくつかあったんです。そのふさいであるものを取って穴を見せろと言うんです。だから、自分で取ってみたらいいでしょう、と言ったら、何ていう刑事さんか判らないけれども、箱を台にして取って見てました」「お勝手の入口の上と、それからあと、風呂場のずっとお勝手に続いた野地板と言うんですが、屋根の下へ張るその板があって、うちは天井張ってないから、じかだったんです結局その野地板をねずみがかじって出たり入ったりしてたんです。そこをボロきれでふさいでたんです」中田弁護人:「 のちにお勝手の入口から万年筆が出て来ましたね」「その場所は、今あなたが言うたボロきれを詰めておいたという・・・」六造証人:「お勝手の入口の上です」中田弁護人:「同じ場所ですか」六造証人:「ええ」中田弁護人:「すると、第二回めのときに、そのボロきれを詰めた所を警察官が捜していたことがあったんですね」・・・。私は読んでいて心臓の高鳴りを覚えた。後に万年筆が発見される場所は警察により既に捜索済みであったとは。ここは非常に重要な証言ゆえ、さらに調書から引用しよう。中田弁護人:「ボロきれを取ったあと、警察官は、その場所を手でさぐったりしてましたか」六造証人:「はい」中田弁護人:「何か言ってませんでしたか」六造証人:「いや、別にただ泥が付くとか、言ってました」中田弁護人:「そのとき、警察官はボロをまたあとに詰めましたか」六造証人:「いや、全部詰めてくれないですよ。だから、私があとから、全部詰め直したんです」・・・。私が調書を読んだ限りでは、第一回、第二回の家宅捜索は相当な念の入れようであったと思われ、これを補強する問答が次である。中田弁護人:「あなたの見ているところで、見のがしたりしたところはありましたか」六造証人:「おそらくないと思います」・・・。                                                                  

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( 一枚目の写真 : 第一回家宅捜索の模様。二枚目、三枚目 : 第二回家宅捜索の模様。石川宅前の井戸の底まで徹底捜索している。写真引用元 = 無実の獄 25年 狭山事件写真集 : 部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部編 : 解放出版社より)