アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 40

低く垂れ込めた鼠色の暗雲を眺め、私は言いようのない不安に襲われた。なにか、近寄ってはならない、言葉に出来ぬ圧力を感じながら、しかし私は狭山の湿った農道を進んだ。道端の水路でナタに付いた血を洗う老人がおり私を見て微笑する。見て見ぬ振りをし再び歩を進めると、暗い雑木林の中に孤立した墓石群がひっそりと佇んでおり、その、風雪に耐え摩耗した墓石の表面には薄っすらと緑色の苔が覆っていた。弱々しい鳴き虫の声だけが辺りに聞こえ、風は無く空気は淀んでいる。暮石の手入れをする白髪の老婆が、よそ者を見るような目でこちらを見つめている。軽く会釈を返し私はゆっくりと歩き出した・・・。                          

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さて、私は狭山事件に興味を持ち、主に古本屋などで関連書籍を購入、目を通してきた。有名な事件だけにその数は多いが、それゆえ内容の質において高低が認められ、あまりに著者の主観で支配された関連本は遠ざけるよう心掛けている。あくまで客観と科学の側からこの事件を見たいからである。そして手元に残った数冊の本を熟読するとき、やはりどうしても未読を避けられない資料の存在が頭から離れないのであった。それとは「狭山事件公判調書」である。手元に残った関連書籍は公判調書を読むにあたって参考、補強、または新たなる視点や発見のきっかけにつながるであろう。これらを携え私はいよいよ「狭山事件公判調書」の精読に取り組むことにした。とはいえ最終学歴が高卒の私にどこまで理解できるか怪しいものであるが。尚、肝心の「狭山事件公判調書」の入手については、努力と忍耐、果敢な行動により私の元に集まった。    

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( 写真は強力な味方になるであろう関連書籍の一部 )