アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 362

 

【公判調書1329丁〜(11/21)】1930〜1931丁が落丁している。

供述調書(甲)

右の者に対する恐喝未遂被疑事件につき、昭和三十八年六月九日狭山警察署において、本職は、あらかじめ被疑者に対し自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げて取り調べたところ、任意次のとおり供述した。

(一)私の彼女関係についてお尋ねでありますからお話し致します。私は前にもお話ししました通り田無町の東鳩に勤めていた頃、二年間も交際した海老沢菊江という女は本年一月死んでしまいましたが、その他に、やはり私が東鳩に居た頃交際したスケ(彼女)は田無町から通っていたぜんけんと言う二十一才くらいの女、田無町から通っていた海老沢久子二十二才くらい、川越の人で西武バスに勤めていた名前の知らない十九才。この女は私方へ二回くらい尋ねてきた事があり、背が高く丸顔で色は黒い方でしたが当時田無の営業所に勤めておりました。今お話しした女も絶対関係をした事はありません。海老沢菊江からは交際中、金張りシチズン三針の腕時計、革手袋、ライター、人形コケシ等貰いましたが腕時計は紛失し、ライター、革手袋は使っている中何処かへ行って現在ありません。コケシ丈は今でも私方に保存してあります。石川一雄

右のとおり録取して読み聞かせたところ誤りのないことを申し立て署名指印した。(ここで落丁している)

*いやはや落丁という事象は書物において最悪の事態をもたらす。フィクション物ならばいざ知らず、裁判記録にそれが確認された場合、記録の確認や検証が正確に分析できぬ事態に陥いる。私がコピーした公判調書だけに落丁があるのかどうか、他に存在する狭山事件公判調書の所在を思い出して見ると、Amazon古本屋で公判調書セット・二十万円という物や、狭山事件再審闘争本部内の床に積まれた公判調書の山などしか記憶になく、これらを比較の対象にする度胸は老生には無く、従って落丁だらけの公判調書を頼りにするしか手はないのである。

私が図書館でコピーした公判調書は写真と同様の装丁である。となると市販されたこの書物は落丁部分などが共通している可能性がある。余談であるが、私が公判調書をせっせとコピーをしている途中、図書館の係員により著作権の関係で完全コピーには問題が発生する旨を伝えられる。しかしその著作権は裁判記録の場合、国に帰属し公共物となるわけで、その心配は皆無だと伝え、事なきを得る。簡単に書いているが、その決済は図書館長によるものであった。