アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 28

五年以上押入れの最下層でつぶれていた本書は、現在私の良き友として、ときに伴侶として光り出した。    

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( 本書埋没現場となった自宅押入れ。昼でも薄暗い )   百円で購入した「狭山裁判と科学」であるが、その購入額には申し訳ないほど満足させてもらっている。さていよいよ第七章【ポリグラフ検査】に入る。ここで重箱の隅をつつくようだがp255〜p256に写植ミスと思われる箇所が複数みられ意味が通らない部分があり非常に残念である。一通り読んでみたが、本章【ポリグラフ検査】に関しては巻末で行われた執筆陣による座談会にて、その意味の無さがよく論じられているのでこちらから少々引用しよう。「ポリグラフには、本当の犯人でさえも引っかからないということもあるらしいですね、逆に」[この座談会のあと、三人の共犯者が三人とも、ポリグラフでマイナスの反応であったということが新聞で報道されている。一九七七年二月十三日付朝日新聞より]・・・。ポリグラフとは、要するに被告を犯人として仕上げる為の「味付け」、又は「調味料」としての意味合いが強いのではないかと思われる。証拠としては「ソッと添える」程度の重みしかないのではないか、と本章を読み終え私は思った。土壌、足跡、筆跡、筆跡痕、ポリグラフと読み進めてきた。そして私は暇を見つけては狭山市図書館に出向き、公判調書に目を通しているが、その分厚い塊を見るとき、警察・検察は後戻りが効かない誤った道を組織をあげて突き進み、その風圧は裁判官すら巻き込んで誤判を導き出させ、面子を保つという目的を達成したのだなと、やりきれない気持ちになったのである。これに付き合わされた人々の無念さ、一人の青年を救う為、本気で戦った弁護団。なんとしても再審開始を願うばかりである。