アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 19

馬鹿な私は完全に侮っていたが本書は本物である。    

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超A級の上質な情報で埋め尽くされている。一部、レベルが高すぎ難解な箇所もあるが、狭山裁判第二審、寺尾判決を揺るがし崩壊させる、科学からの視点による内容に「やはり誤判であったのだな」と納得、安心すらしてしまった。元を正せば警察による佐野屋での犯人取り逃がしが起点となるが、それはそれ、裁判所側にも多彩な落度が見られる。その、ある一面と再審請求の真の棄却理由を絡めて考えたとき次の答えが頭に浮かんできた。大先輩が下した判断に対し、それを覆すことに及び腰である後輩達。大先輩の顔に泥は塗れないのである。あるいは再審請求を受理、石川一雄氏に対し無罪判決を確定させた場合、これに関わった判事達は地方の僻地に異動させられるという恐怖。その人事異動を思いのまま操れる派閥の存在、と様々な黒い意志が絡み合った、裁判官の使命とは完全にかけ離れた要因による再審請求棄却なのだと私は考える。やはり例にもれず出世願望という魔の欲望が、この世界にも隅々まで支配しているのだろう。