「狭山裁判 上・下」(野間 宏著 岩波新書)を久しぶりに読んだが、迂闊にも上質な情報が記述されていることに今、気がついた。野間 宏氏が松本健男弁護士より得た書類「奥富○○の身辺捜査」の記述である。これは当時、狭山警察署の警部補2名が署長宛に提出したものであり、よく考えてみるとこれは重要書類の類ではないかと、私は今更ながら刮目する始末である。書類の日付は5月6日であり「奥富○○」が自殺した日である。野間氏は「〜その内容から判断するとき、この身辺捜査報告は当人の自殺以前からなされていて、自殺後それをまとめたものと考えるのが妥当であると考えられる」と述べている。自殺以前からとはかなりの速さである。警察がここまで早期に動いた理由はもはや言うまでもないだろう。