アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 584

【公判調書1817丁〜】

東京高等検察庁検事=平岡俊将の意見

第四、事実取調請求について

   四、請求書第四の書証及び証拠物たる書面

  (二)、(前回より続く)なお、これらの記事の内、標目3に記載されている「死体現場付近の山林三ヶ所から新たに牛乳ビン、コモなど六、七点発見、指紋その他を調べている」とか、

(標目3)

同4に記載されている「死体発見現場から三百米はなれた林の中に堀立小屋が発見され、中に草刈カマと荒ナワ、エロ雑誌、ヌード写真、自動車運転免許甲法令集、ペン習字帳、絵本などがあり、カマと荒ナワは本部員が持ち帰った」等の記事に関する事実については、当時警察でも聞込み等により調査していて、その結果報道記事にあるようなセンセーショナルな大げさなものではなく、事実の内容も異なり、乞食の堀立小屋や子供らの遊び場所に過ぎなかったことが明らかとなって、本件には関係ないことが判明し捜査線より除外されたものであり、

(標目4)

標目2、3、4、5、7、8に記載されている奥富玄二については捜査当局でも捜査しており、その血液型、筆跡、家族、勤め先、知人関係者らについて捜査し、血液型はB型であったが、残された遺書による筆跡検査、五月一日、二日のアリバイ等によって、本件事件には全く関係のないこと(同人が中田栄作方にいたのは十五、六才頃の二年間位で本件より十五年も前のことであり、その後関係はなかったものである)、また、自殺の原因についても概ね首肯される事実のあることなど判明しているものであって、弁護人は当審第八回公判における長谷部梅吉の証言が、右新聞記事と異なるとの趣旨をいうようであるが、同証人の証言は、当時証人の本職が刑事調査官で、一般的に不自然死に対する検視や調査を担当していたため、奥富玄二の自殺についても刑事調査官としての立場で死体検視や家人から死亡の事情を聞いた程度に止まり、それ以上の本件事犯との関連などにわたってまで自分としては捜査はしていないという趣旨のものであって、捜査当局が全くこれについて捜査しなかったという趣旨を言っているものでないことは、よく証言内容を検討すれば自明のところであり、これを取り上げて右新聞記事と反するというのは証言の曲解というほかはない。従って奥富玄二に関する調査事実は、被告人の本件公訴事実立証関係には格別必要はないものであると考えている。

(標目2、3、4、5、7、8)

*続く