アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 909

【公判調書2877丁〜】

                    「第五十四回公判調書(供述)」

証人=関 源三(五十五歳)

                                             *

宮沢弁護人=「あなたの所へ石川君に差入れて欲しいというような趣旨の手紙が来たということをさっき証言されたんですが、所沢の山口の石山さんですね、これはあなたを知っている人なんですね」

証人=「石山さんは私は知っているんです。練馬の人というのは全然見当もつかないんです」

宮沢弁護人=「石山さんという人は知っているんですね」

証人=「はい」

宮沢弁護人=「どういう人ですか」

証人=「駐在所に私がいて、じきそばだったので顔も知っているし」

宮沢弁護人=「どういう人なんですか」

証人=「役場へ行っている人です。今は何をしてるか分かりませんけれども、その当時は支所にいたんです」

宮沢弁護人=「所沢の市役所の支所にいた」

証人=「はい」

宮沢弁護人=「名前は何と言われるんですか」

証人=「名字は石山なんですが、名前ははっきりしないんですけど」

宮沢弁護人=「所沢の支所ってどこの支所ですか」

証人=「山口です」

宮沢弁護人=「所沢の山口の支所に当時いた人ですね」

証人=「はい」

宮沢弁護人=「年齢はどのくらいですか」

証人=「私より一つか二つ若いように思います」

宮沢弁護人=「支所でどういう内容の仕事をされている人ですか」

証人=「仕事の内容はよく分からなかったですが、支所には幾人もいないんです」

宮沢弁護人=「もちろん男の方ですね」

証人=「そうです」

宮沢弁護人=「住所はあなたご存じですか」

証人=「知ってます」

宮沢弁護人=「山口なんですか」

証人=「はい」

宮沢弁護人=「どこですか」

証人=「番地は分からないですけど氷川様というのがあるんですがその前です」

宮沢弁護人=「もう一人の練馬の人はあなたは知らないと言うんですがね」

証人=「はい」

宮沢弁護人=「しかしあなたの宛名で来ているわけでしょう」

証人=「そうです」

宮沢弁護人=「通常だったら狭山警察署というような形で来るのが私どもとしては通常だと思うんですがね、だけどもあなたの名前を特定してそういうのを送られてきたという何か思い当たるところはないですか」

証人=「狭山警察の私なんです。私宛と言っても住所じゃないんです」

宮沢弁護人=「狭山警察署の関源三さんという宛名で来ているわけでしょう」

証人=「はい」

宮沢弁護人=「だからそういう風にあなたの名前を特定して来ているということについては何かあなたに関係のある人なんでしょう」

証人=「それが見当がつかないんですがね、その人が練馬の方ということは書いてあるから練馬と私は思っているんですけれども、私の名前を知っているわけもないし、私もその人は知らないんです」

宮沢弁護人=「その二人についてあなたの上司の諏訪部課長なり、そのほかの狭山署の捜査係の方は知っているわけですね」

証人=「その手紙が来たことですか」

宮沢弁護人=「はい」

証人=「全部はおそらく知らないでしょうけれども」

宮沢弁護人=「少なくとも諏訪部課長は知っているわけですね」

証人=「諏訪部課長は知っておりますね、私は諏訪部さんだったような気がするんですから」

宮沢弁護人=「そうするとこれを石川君に渡したのはあなたか別の捜査の係員だと、こう言うのですね」

証人=「はい」

宮沢弁護人=「あなたでないとすれば、あなたとしてはそれじゃ捜査の係員としてはどんな人だという記憶でしょうか」

証人=「それは川越ですから諏訪部さんももちろん川越にいたんです。あと飯塚課長とか長谷部さんとか青木さん、それから遠藤さん。あとまだ三、四人おりましたです、川越には」

宮沢弁護人=「そうするとそういう人達は大体あなたが石川君とこういった接触をしているというようなことは皆さん知っていたわけですね」

証人=「接触というのは」

宮沢弁護人=「要するに手紙を出したりお金を持って行ったりしていることですね」

証人=「その預かったと言いますか、練馬の方とかあるいは所沢の石山さんとか、それはおそらく知ってます」

宮沢弁護人=「その二件のお金については少なくとも知ってるわけですね」

証人=「ええ、知ってると思いますね」

宮沢弁護人=「そのほかあなたが面会に行くとか、あるいは手紙を出されるというようなことは知っているわけですね」

証人=「まあその当時知っていたかどうか分かりませんけれども、まあ今になってみればきっと知っていると思います」

宮沢弁護人=「当時から知っているという風にあなたは考えるわけですね」

証人=「いや、その手紙を私が出したそのことを、ずい分古いことですけれども」

宮沢弁護人=「話したわけですね」

証人=「いや、話しません」

宮沢弁護人=「先ほどの証言では話したような趣旨の証言だったでしょう」

証人=「改めて手紙を出しているとか来ているとかいうことは別に話さないけれども今はまあ知ってると思うんですがね」

宮沢弁護人=「それはどうして知ってるんですか」

証人=「それはずっともう大分前ですけれども、捜査課のほうで、手紙が来ているという何か噂のようなことを聞いたけれども来ているかと言われたことがあるんです。そしたら来ていると、それじゃ見せてみろということがあったから、ですから今は知っていると思うんです」

宮沢弁護人=「そうするとその手紙は全部上司に、あなたとしては見せたわけですね」

証人=「捜査課の人には見せたです。ですから上司のみんなに見せたというんじゃなくて」

宮沢弁護人=「少なくとも捜査課の人には見せたわけですね」

証人=「はい」

(続く)