アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 806

先日、埼玉県内の某公園を訪ねた。数年前に私を癒してくれた猫たちに会うためである。チュールやササミ鰹節味など、彼等が喜びそうなブツを揃えたことは言うまでもない。

だが、現場に着くと猫たちの気配は全く無く、枯葉が冷たい風に吹かれていた・・・・・・。

人懐こい猫であったという私の記憶から推測するに、この猫たちは愛猫家に持ち去られ、猫自身と飼い主それぞれが幸せに満ちた日々を送るという結果に到達しているのではないか、と思いたい。

最近、野良猫を撫でたく公園を尋ねるも、居るのは見るからに怪しい、朝からワンカップをあおるオヤジであり、何かがおかしいと感ずる。

【公判調書2490丁〜】 

                   「第四十八回公判調書(供述)」

証人=石原安儀(五十七歳・警察官)

                                           *

橋本弁護人=「東鳩製菓に、どういう命令を受けて出向いたんですか」

証人=「命令というんではなくて、やはりお前タオルの捜査をやれよということを下命されたもので、東鳩へ行ってお得意先がどこの何だというのでみんなメモをしてもらいましてそれでそこへ行くわけです」

橋本弁護人=「そうすると月島食品のお得意さんの一つとして他の店と同じような目的で尋ねたんですか」

証人=「そうです。要するにでかい所はでかいように退職した人はどういう人がいるかと、現在の従業員はどういう人がいるかというような点で、今度はそれを更に掘り下げて聞いたわけです」

橋本弁護人=「東鳩に尋ねて行ったのは月島食品からタオルを貰っているかどうかを調べに行ったわけでしょう」

証人=「そういうことです。だから大体行ってるはずなんです、お得意先にはみんなタオルが配られておりますから」

橋本弁護人=「東鳩にもタオルが配られていたという話を聞いたわけですね」

証人=「そういうことです」

橋本弁護人=「その東鳩には、いつ頃までの間に何本くらいのタオルが配られていたというんですか」

証人=「その点は記憶にありません。当時の書類が正しいと思います」

橋本弁護人=「三多摩地区では東鳩以外の月島食品のお得意さんも尋ねていますか」

証人=「尋ねてるような気がしますけれども、瑞穂農協にも、あそこへ尋ねた記憶があります」

橋本弁護人=「そうすると東鳩だけを特別に尋ねたという意味ではない」

証人=「これは全部やりました」

橋本弁護人=「あなたはタオルを尋ねて歩いてる段階では石川一雄君のことについて何か聞いておったですか」

証人=「・・・・・・記憶にありませんね」

橋本弁護人=「先ほど、辞めた従業員のことも聞いたということを言いましたね」

証人=「はい」

橋本弁護人=「その辞めた従業員というのは東鳩の従業員のことを指しているんですか」

証人=「いや、どこでもそうです。全部そうです」

橋本弁護人=「それはどういう意味で聞いたわけですか」

証人=「それはですね、まあ月島食品のタオルが行ってますから、従って三十四、五、六年の三カ年くらいに配られたタオルじゃないかというのが着眼点ですから」

橋本弁護人=「先ほど三十四年と三十五年の型のタオルだけど」

証人=「結局はチャンポンにするから、全部無くなってから配るというのではなくて、若干の含みをもちまして、だから三十四年頃から働いていた人というのでそのうちに現在まで働いている人がいたかどうか、途中で辞めた人はどこの何という人かというようなことで調査したわけです」

橋本弁護人=「つまりお得意さんの従業員にタオルが渡っているかも知れないと、そういう想定のもとで聞いたと、そういうことですか」

証人=「そういうことです」

橋本弁護人=「狭山市内の月島食品のお得意さんに重点を置いたということはないんですか」

証人=「これは重点を置くも置かないもないんです。全部いずれかのお得意先から出たタオルだというので特に狭山を重点に絞ったということはないんです」

橋本弁護人=「しかしお得意さんというのは埼玉県と東京都内だけではないでしょう」

証人=「ないけれども、一応やはりその近くでそんなに遠くから来ちゃいないと。土地に勘のあるのが容疑者じゃないかという点ですから、現場の状況あたりから見るとどうしても土地に関係あるんじゃないかと」

橋本弁護人=「そうすると全部歩いたというのは、埼玉県内と東京都内の月島食品のお得意さんを全部歩いたということですか」

証人=「東京都内も全部は歩いてないです。一部のように記憶しております」

橋本弁護人=「東京都内でも三多摩地区を重点に置いた」

証人=「そういうことです、あと池袋ですね」

橋本弁護人=「西武線の沿線ですか」

証人=「そうですね、そのような記憶です」

橋本弁護人=「月島食品のお得意さんというのは埼玉県と東京都だけではないでしょう、関東のほかの地方もあるわけですね」

証人=「これはあるはずです」

橋本弁護人=「そちらにもタオルは行ってるんでしょう」

証人=「もちろんお得意だから行ってると思いました」

橋本弁護人=「タオルを入手できる従業員ですね、しかも狭山市内に住所があるという人を調べましたか」

証人=「これはどうしてもそういうことになってきました」

橋本弁護人=「何人くらいいましたか、そういう人が」

証人=「・・・・・・・・・記憶にありません」

橋本弁護人=「狭山市内でも特に入間川地域に住所があって、しかも月島食品のお得意先に勤務していたことのある人、そういう人は何人かいたんじゃないですか」

証人=「おりましたですね」

橋本弁護人=「何人くらいいましたか」

証人=「何人だったかは忘れましたですね」

橋本弁護人=「そういう人を戸別に尋ねて歩きましたか」

証人=「戸別に尋ねたような気もするし、どうもはっきり誰と誰を戸別に尋ねたかというのは忘れました」

橋本弁護人=「戸別に尋ねて歩いたような気もするわけですか」

証人=「はい」

橋本弁護人=「それ報告書に作成しましたか」

証人=「その点は記憶にありません」

橋本弁護人=「タオルの件について報告書を何通作っておりますか」

証人=「・・・・・・・・・記憶にありませんね」

橋本弁護人=「記録によりますと、少なくとも五月六日から五月九日にかけて三通は作っておるようですね」

証人=「ああそうでしょうね、大体」

橋本弁護人=「それ以上作っておりますか、三通以上」

証人=「それ以上作っているんじゃないかと思います」

橋本弁護人=「およそ何通くらいということは言えませんか」

証人=「申しかねます、はっきりしませんから」

橋本弁護人=「タオルの捜査に従事したのはあなただけですか」

証人=「私の他に何人か。もちろん私も一人で行ってるんじゃないから」

橋本弁護人=「あなたと組んだ人がいますね」

証人=「・・・・・・」

橋本弁護人=「普通二人でやるんでしょう」

証人=「それは二人です」

橋本弁護人=「だからあなたと誰かと組んで今あなたの仰ったお得意さん回りや、戸別訪問をしたんでしょう」

証人=「ええ、もちろん私一人では行きませんから」

橋本弁護人=「そのあなたの相棒は誰ですか」

証人=「・・・・・・はっきりしないです。記録を見て頂ければ記録に書いてある人が一緒に行った人です」

                                            *

裁判長=「常にあなたのほかに一人決まった人が行ったのか、それとも行くたびに変わった人が行ったのか」

証人=「いや、やっぱり若干変わっておりました」

                                            *

橋本弁護人=「それから先ほど三通よりも多くタオルに関して報告書を作成したと仰いましたね」

証人=「はい」

橋本弁護人=「何通くらい」

証人=「その点がどうも今考えてみたけれども記憶に出て来ないんです」

橋本弁護人=「報告書は全部上司に提出済みですね」

証人=「出てます」

(続く)