【公判調書2488丁〜】
「第四十八回公判調書(供述)」
証人＝石原安儀(五十七歳・警察官)
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橋本弁護人＝「月島食品はそれをどの範囲に配ったんですか」
証人＝「これはですね、要するにテーブルマーガリンのお得意様に中元とか、それから年賀に大体」
橋本弁護人＝「お得意に配ったんですね」
証人＝「はい」
橋本弁護人＝「そのお得意先というのは地域で言うとどの範囲ですか、例えば東京都内とか関東地方とか、日本全国とか」
証人＝「どの範囲という･････････それは分かりませんが、大体いわゆる埼玉を中心としまして一応都内、東京と三多摩方面はどことどこにお得意がありますか、というので名簿によってお得意先を調べたわけです」
橋本弁護人＝「埼玉県内と都内の三多摩地区の」
証人＝「三多摩と池袋あたりも私行ってるような気がしますけど、それから北区へ行ってますね」
橋本弁護人＝「それらのお得意さんを聞いたんですね」
証人＝「そういうことです」
橋本弁護人＝「月島食品のお得意さんですね」
証人＝「そういうことです」
橋本弁護人＝「そしてそのお得意さんにタオルが配られておるということも聞いたんですね」
証人＝「はい、聞きました」
橋本弁護人＝「埼玉県内の中で狭山、それから所沢、飯能といった地域にお得意さんがありましたね」
証人＝「ありました」
橋本弁護人＝「狭山はどのくらいありましたか」
証人＝「さて･･････三、四軒じゃないかと思いますね。はっきり分かりません、これは。記憶にありません」
橋本弁護人＝「そのお得意さんに中元と年賀の都度タオルを配ると」
証人＝「そういうことです」
橋本弁護人＝「一軒のお得意さんあたり何本くらい配るんですか」
証人＝「まあ、二、三本程度ですね」
橋本弁護人＝「平均二、三本程度ですか」
証人＝「はい。と記憶しています」
橋本弁護人＝「そのお得意先を尋ねたことはありますか」
証人＝「ああ、これはもう尋ねました」
橋本弁護人＝「数にしてどのくらい尋ねたんですか」
証人＝「･････････二、三十軒は尋ねてるんじゃないかと思います」
橋本弁護人＝「それは都内と埼玉県と両方合わせてですか」
証人＝「はい、、そうです」
橋本弁護人＝「尋ねた先を報告書に記載しておりますか」
証人＝「記載してます」
橋本弁護人＝「報告書を作成していますね」
証人＝「しました」
橋本弁護人＝「尋ねた先ではタオルは保管してありましたか」
証人＝「保管してあった家が何軒かあったように記憶はありますが、これもはっきりしません」
橋本弁護人＝「貰ったタオルがあるところと無いところと両方あったということですか」
証人＝「まあ大体無かったのが多かったんじゃないかとも思われました」
橋本弁護人＝「あなたが尋ねたそのお得意さんというのは何年頃からタオルを貰っておったかというのも調べたんですか」
証人＝「はい」
橋本弁護人＝「何年から貰い始めて何年まで貰っているかと、そして合計何本貰ったかということも尋ねた」
証人＝「そんなに細かいところまではちょっと記憶にありません」
橋本弁護人＝「と、ほとんどのお得意さんではタオルが無くなっておったと、そういうことですね」
証人＝「はい」
橋本弁護人＝「狭山市内のお得意さんを尋ねましたか」
証人＝「たぶん入間川の町の清水とかいうパン屋さんだけは一軒記憶に残っていますね」
橋本弁護人＝「清水パン屋さん」
証人＝「たぶん記憶ですから当時の記録があれなんですけれども、違ってるかも知れないけれども、私の記憶では清水と思いましたね」
橋本弁護人＝「その清水パン屋さんにはタオルは何本くらい配られておったんですか」
証人＝「大したことはなかったような記憶です、貰った本数というのは」
橋本弁護人＝「何本くらいですか」
証人＝「忘れましたね」
橋本弁護人＝「で、そのうちはタオルはありましたか」
証人＝「忘れちゃったです」
橋本弁護人＝「東鳩製菓というのを調べたことはありますか」
証人＝「これは何回も行きました」
橋本弁護人＝「これは月島食品とどういう関係にありましたか」
証人＝「これはマーガリンの関係でお得意様ですね」
橋本弁護人＝「どこに行きましたか、場所は」
証人＝「これは田無と保谷と二ヶ所にあったような気がしたんですけれどもね、ちょっと記憶が出てきません。二ヶ所だと思いました」
橋本弁護人＝「何回か尋ねたと言いますと、一番最初に行ったのは何日で、最後は何日になるか」
証人＝「さて、その点は詳しいことは記録見ないと分かりませんが」
橋本弁護人＝「石川一雄君が逮捕されたのが五月二十三日です。それを基準にしますとそれより前ですか」
証人＝「その前に行きました」
橋本弁護人＝「逮捕の前ですか」
証人＝「前に行ってます」
橋本弁護人＝「五月の十日を基準にしますと、前ですか、後ですか」
証人＝「その前後じゃないかと思います」
橋本弁護人＝「あなたは石川一雄君が被疑者であるということは、分かったのはいつ頃ですか」
証人＝「それは私は逮捕してからだというような気がするんですけど」
橋本弁護人＝「じゃ逮捕するまでは知らなかったんですか」
証人＝「これは大勢のいろんな関係でやってますから、要するに、いわゆるまとめるのは上がやることだしするんでですね」
橋本弁護人＝「そうすると警察で考えておった容疑者という人がおったと思うんですがね、そして石川一雄君を五月二十三日に逮捕した以上は、その前のどこかの時点で石川一雄君を容疑者にしたわけでしょう」
証人＝「そうですね」
橋本弁護人＝「その時点はいつか知らないんですか」
証人＝「これは分かりません」
(続く)
