アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 797

【公判調書2468丁〜】

                      「第四十八公判調書(供述)」

証人=石原安儀(五十七歳・警察官)

                                           *

石田弁護人=「タオルの捜査はタオルが作られた会社がありますね」

証人=「はい」

石田弁護人=「月島食品工業と言いますか」

証人=「ええ、そうです。作られたんじゃなくて要するに注文した社ね、これは」

石田弁護人=「注文して自分の会社の名前のタオルを作った会社ですね」

証人=「そういうことです」

石田弁護人=「その関係などの捜査も当然入るわけですね」

証人=「これはもう私がタオルについてはテーブル・マーガリン月島食品という名入りのタオルでありましたから、おそらく私の記憶なんですが六日の日に江戸川の長島町の会社へ行きました。それでまあお宅ではどういう風なあれでそのタオルを作ったのかというようなことを聞いて、それからまあ」

石田弁護人=「配布先なども聞いた」

証人=「配布先、それから配布先の従業員、要するに退職者、それから現在働いている所という点について聞きました。ほとんど大体がまあ埼玉、東京、この三多摩から池袋方面、大体千葉の方じゃなくてこっちの方の関係について全部メモをして、それでやったから大体それが五月の二十二、三日頃までそれをやりましたから」

石田弁護人=「警察手帳にメモしただけですか。調書などはお取りになったんですか、いろんな所で」

証人=「調書は何件か取ったと思います。多分浅草の柳橋のタイコウ商会・・・・・・タオルを注文を受けて柳橋のオオミツとかタイコウ、ちょっと記憶ありません」

石田弁護人=「文字で表すとどういうことですか」

証人=「大光だと思うんですが、どうも古いことだから・・・・・・。の、調書は取りました」

石田弁護人=「そうするとその間、あなたは埼玉県下におられたのがもちろん多いんでしょうけれども、時間としては東京の方へ出られた時間というのもかなり日数と時間をかけておられるわけですね」

証人=「そうです。池袋の方から瑞穂町、私の記憶ではあとは所沢、飯能、川越、それから浮間まで行きました。それで月島食品がマーガリンの関係で菓子屋へも卸しているというようなことですね」

石田弁護人=「まあ相当広範囲な調査をされて、その捜査が五月二十二、三日頃ですか、一段落したということになりますか」

証人=「はい、そうです」

石田弁護人=「それからどんな捜査に従事したんですか」

証人=「それからは更にそのために従業員あたりを若干やったり、あの現場周辺の聞込み捜査をして、その後、逮捕をしました東島明君の身辺をやりました。それで翌月だから六月の三、四日頃ではないかと思います、東島君を小川の警察署へ車で連れて行きまして、あそこで六月の十五日近くまで調べて、その後東島君を川越に移監したような気がするんです。そこで川越でも幾日かあれしたか、大体東島君を二十日頃まで調べたような気がします」

石田弁護人=「そうしますと石川君を逮捕してその後は東島明の身辺をあなたは捜査されたという」

証人=「主に身辺、それから逮捕取調べということです」

石田弁護人=「直接あなたが取調べられた、東島を」

証人=「ええ、そうです」

石田弁護人=「東島を川越へ移監してから東島を起訴したわけですか」

証人=「さて、その点は記憶にありません」

石田弁護人=「東島君を調べたのはどんな事項をあなたとしては主に調べたんでしょうか」

証人=「私としては余罪関係の追及と同時に五月一日のアリバイですね」

石田弁護人=「それを追及した」

証人=「そういうことです」

石田弁護人=「東島君については身辺捜査の段階からあなたやっておられるようなんでお伺いするんですが、五月一日の彼の行動については、警察では非常に疑問を持っていたという風に聞いていいわけですか」

証人=「さて、記憶ありません」

石田弁護人=「知ってるんじゃないんですか」

証人=「いや、分からないですね、古いから。ただあの夜は前日が狭山市の市会議員の選挙で、おれの投票した人が当選したというようなことを東島君が言ってましたからね、そういう点についてはあれだけれども、疑問とか何とかというのは、私共ことによれば東島君が犯人じゃないかと思うくらい自信を持って何だかんだ裏付けをしたり取調べをしたりしていましたから」

石田弁護人=「その東島君が犯人じゃないかと思う一つの資料として、奥富という植木職の方の供述というのが警察に入っていたんではありませんか」

証人=「さて、ちょっと記憶ありません」

石田弁護人=「何か資料があったわけですね、東島君について。その容疑をかけた」

証人=「さて、その点はどうもはっきりしません」

石田弁護人=「資料なしで漫然とかけるんですか」

証人=「いや、それはですね、だから石川君と東島君が確か石田豚屋かどこかで一緒に働いていたような気がするんですよ、そのようなことで一応まあというような関連性を持ったんです」

石田弁護人=「そうしますと、はっきりした資料というものの存否は今記憶にないわけですか」

証人=「記憶にないです」

(続く)