アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 248

昭和四十三年八月二十七日、弁護側から裁判所へ事実取調請求書が提出された。27項目におよぶ証拠類が請求されており、これらの請求を裁判所が認めるかどうか気になるところであるが、私は今27項目のうち、25番目を見終えたばかりで、残り2項目に目を通さなければその請求結果に進めない。残る、請求する証拠番号26番は、事件当時、浦和刑務所拘置区長であった霜田杉蔵が証人として請求されている。この霜田杉蔵は①昭和三十八年八月はじめ頃、石川一雄被告人に自白をまとめた書面を手渡し、②第一審判決のあった日、同被告人に対し「第一回目は死刑になっても当たり前で東京へ行けば大丈夫だ、私も嘆願書を書いてやる。控訴しなければ馬鹿だ」と言い、③同被告人および同房者・池田正士らが、「○○(被害者名)ちゃん殺しはさらりととけぬ」という歌を歌っていたので池田正士を転房させた、とされており、以上の三点を証明するために呼ばれている。霜田杉蔵に対する尋問事項は9項目であるが、その前に、弁護側が証明したい事実・三点を見て私は少し悩んだ。①から③を文面通り読めば、霜田杉蔵は極悪人ではないかと思われてならない。石川被告人に自白の書面を手渡し有罪確定へつなげ、その思惑通り極刑の判決を受けた被告に、今度は「一回目は死刑で当たり前だが東京(高裁を指すのか?)へ行けば大丈夫」と無責任に言い放ち、嘆願書は書いてやると偽善者っぷりを発揮、挙げ句の果て、控訴しなければ馬鹿と、石川一雄被告人の無知ゆえ純粋な感情を刺激する。私の穿った見方を言えば、これは霜田杉蔵が警察・検察の意向を感じとり、霜田杉蔵なりに考えた「カタ」にはめたと、こう私は捉えてしまうのである。いや、私の解釈が間違えている可能性も大きい。どちらにせよ、証拠番号26番は是非とも請求が通ってほしいものだ。霜田に対する尋問事項は割愛する。