アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 69

公判調書555丁。昭和三十九年九月十日第一回公判において、決定取調済の特別重要品触には被害者の腕時計と鞄が載っている。この腕時計に関連する事柄をまとめると概ね次の通りである。特別重要品触には被害者の腕時計と同一種類として写真が載っている。それはどこから持ってきた時計か。これは遠藤警部補と被害者の兄が東京の御徒町にある金栄社に赴き、兄が被害者である妹へ買ってあげた腕時計の型を選んでもらい、その時計を金栄社より借り写真に撮った。腕時計は後日返却済み。事件当時被害者が腕時計を身に付けていた事実、及び腕時計がシチズン六型位、長方形金色バックステン黒革バンド付きである事を家族により確認済み。腕時計が発見されるまでは質屋関係を捜査した。以上、公判調書からまとめてみた。ここから特別重要品触(以下:品触)に書かれた時計の側番号に関わる事柄に触れる。品触に書かれた時計の側番号は御徒町:金栄社より借りた、将田政二(当時、埼玉県警察本部捜査一課長)証人の言葉によれば「同一種類」「類似品」である時計の側番号であり、被害者着用の時計側番号ではないのである。この重大なミスを含んだまま、この品触は報道機関に配られるのである。更に問題なのは警察側はこのミスを訂正しないという、まさに放擲と言っていい対応、いや、対応ではなく放ったらかしにするのであった。では、警察は被害者着用の時計、その側番号を知っていたかというと、調書560丁に「側番号を知ろうと努力しましたが、わかりませんでした」とあり、となると石川被告の供述から発見されたとされる腕時計は、それ自体が被害者の腕時計かどうか非常に疑わしいと、こう私は思うのである。    

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