アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 12

真夜中、野犬の遠吠えが聞こえ目を覚ました。それにつられたのか今度は野良猫同士の喧嘩が始まり断末魔の咆哮が近所に響きわたった。やがて静粛な夜に戻ったが私の頭から眠気は去っており、ならばと腹をくくり深夜の読書と相成った。購入時、軽く読み流し放置していた「検証・狭山事件」(伊吹隼人著 社会評論社)であるが、私は思わず「ほほう」と唸ってしまった。

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完全に私の眠気を消し、むしろ覚醒させられた記述は本書の第5章【狭山事件・関係者の新証言】に現れていた。ここの213ページから218ページまで2度読みしたが、これが事実であれば狭山事件の東京高裁判決を、とてつもない衝撃力を伴って破壊しかねない爆弾情報になり得るのではないかと私は思った。ここまで取材しておきながら、それで済ませた著者のポテンシャルの高低を今は問うまい。先に述べた、とてつもない衝撃力を持った爆弾情報とは、この「伊吹」本によると「被害者が遺体で発見された時の第一発見者は私である」と、狭山消防団第三分団所属(当時32歳)の南入曽に住む男性が語る内容である。狭山事件が発生し5月4日に狭山市からの要請で消防団が警察官、機動隊と共に山狩りと称する捜索に参加、この団員が遺体埋没現場を通りかかり異変に気付くが、きっかけは茶垣の根元に置いてあったカバンなのである。記述を読むとカバン(学生が使うようなもの)が無ければ通過していただろう、カバンがあったからこそ周囲を見回し(埋め戻した場合、地面の土色が違う)埋没場所らしきものを発見したと述べている。更にカバンは機動隊の人に渡したとも。被害者のカバンがここにあったとなると、これは超弩級の暴露証言となる。著者による団員への問答は続き、被害者のカバンが全く違う場所から見つかった件に関して「・・不思議に思ったねぇ」と語り、裁判上の第一発見者である橋本喜○郎に関しては「その時現場にはいなかった」「同僚は、何であの人が(裁判で)話すんだ?」と述べている。こんな事を公にして大丈夫なのか?刺されはしないのか?