アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 719

【公判調書2271丁〜】

                   「第四十五回公判調書(供述)」

証人=大谷木豊次郎(五十八歳・浦和自動車教習所法令指導員。事件当時、埼玉県警察本部捜査一課・課長補佐)

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福地弁護人=「それから佐野屋の前の通りを狭山市役所堀兼出張所方面、この図でいうと上の方に行くところに交叉点がありますね、その付近には」

証人=「その付近にもおそらく誰かがいたと思うんです」

福地弁護人=「中央一番上の交叉点ね」

証人=「はい」

福地弁護人=「あなたは配置図面をご覧になった時にそこら辺にも置いたように思う」

証人=「はい」

福地弁護人=「その十字路を曲がって行きまして、三叉路がございますね。右に曲がってだいぶ行って」

証人=「ええ」

福地弁護人=「そこら辺はどうですか」

証人=「その辺にも置いたんじゃないかと思いますね。思うというだけで」

福地弁護人=「その三叉路を右に行ったところに権現橋というのがありますね」

証人=「ここまではどうだったでしょうね。はっきりしませんね」

福地弁護人=「それから数字をまるで囲んで番号がふってあるんですが、59から64(注:1)までね。この61から63を結ぶ直線、農道なんですけれども、このどこかに警察官が張込んでいたというようなことは」

証人=「ここには張込みません。張込んだ記憶はありません」

福地弁護人=「それは第一回の計画でもそうですか」

証人=「第一回の計画にもここにはなかったです」

福地弁護人=「つまり畑の中には張込んでないんですね」

証人=「畑の中には張込んでおりませんでした」

福地弁護人=「総勢四十人か五十人くらいの大捜査陣ですが、二人ないし三人に組んでいたとしても十数ヶ所張込み地点がある筈ですけれども、なかなかあなた思い出せないんですね」

証人=「思い出せません」

福地弁護人=「総指揮者であるあなたは誰がどこにいるということを把握してなければいけませんでしょう」

証人=「それはそうでしょうけれども、先ほど申しましたように急遽もう変わってしまったことですので」

福地弁護人=「変わってしまったあとはのみ込んでないんですね」

証人=「ええ、だからこの計画はもう私は失敗の計画だといつも言っておるんです。とにかく総指揮者が決められておって計画を立てて納得をした計画で行かなければ、やってもこれはうまく行かないと」

福地弁護人=「張込みの時に、通常はいろいろな道具を持って行くだろうと思いますが、勿論手錠とか捕縄といいますか、持って行くでしょうけれども特にこの張込みのために何かそういった類いの物を持って行った記憶はございますか」

証人=「通常の張込みの場合とほとんど変わりませんね、通常の張込みと言えばいわゆる警察官の持っている、常時持っている物とそのほか照明用具を」

福地弁護人=「その時は照明用具は何を」

証人=「小さい懐中電燈です」

福地弁護人=「どれくらいの大きさですか」

証人=「乾電池が一本入るもの」

福地弁護人=「各自が一本ずつですか」

証人=「そうです」

福地弁護人=「照明器具としてはそれだけですか」

証人=「そうです」

福地弁護人=「ハンドトーキーとか先ほど仰いましたが、それは誰が持ったんですか」

証人=「結局持たず仕舞いだったんですね」

福地弁護人=「そうすると連絡方法としてはどういう方法があるんですか」

証人=「連絡方法はほとんど皆無の状態ですね、ハンドトーキーを持つことにしたんですが、その操作をまだ全員が知っておりませんでした。その方法を教えようとした時に乗り込んで来たわけですから」

福地弁護人=「コンビの組み方については先ほど警察の階級の上下によって機械的に組んでしまったけれども特に地理に明るい人を重点的に組んだというんじゃないですか」

証人=「あとの関係はそうではなかったように、そういう風に私は記憶しております」

福地弁護人=「呼子なんかは持っておりましたか」

証人=「それは警笛は皆、持っておりました」

福地弁護人=「張込みした警察官の服装ですけれどもこれは制服ですか、私服ですか」

証人=「私服です」

福地弁護人=「皆さんそうですか」 

証人=「全員私服だったと思います」

福地弁護人=「当時、佐野屋の前は確か舗装されてなかったでしょう、今は舗装されてますが」

証人=「舗装されてなかったかと思いますね」

福地弁護人=「五月二日の天候、昼間の天候、夕方の天候、張込み時の天候についてどういうご記憶ですか」

証人=「昼間は雨が降っておったか、とにかく張込みをする前まで雨が降っておった記憶がありますね、直前までは降っておったが、一日中降っておったか、とにかく天気は良くなかった記憶ですね。張込みを始める頃から天気は良くなって来ましたですね。そういう風に記憶しております」

福地弁護人=「夜は月夜ですか」

証人=「月は出て来たような気がしますね。張込んでから月が出たのか、張込んでからのような気がしますね。張込みに出発した時には暗かったように考えておりますが」

(続く)

 

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(注:1) 「老生のネット環境では51以上の数字を丸で囲み表記することが出来ないため、単に数字のみの表記とした」