アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 437

【公判調書1454丁〜】証人=遠藤  三(六十七才)・元警察官

裁判長=「犯人が逃げた道順を被告人に聞いている時に証人はその場にいましたか」

証人=「取調べの時に私がほとんどいたことは間違いありませんが、地図を見せたということについては記憶ありません」

被告人=「地図を書く際、畳の上で黒いゴム板を使ったことは覚えていませんか」

証人=「下敷に黒いゴム板もあったように記憶するし黒いセルロイドの下敷もあったように記憶しています」

被告人=「お前、狭山地図を書けるかと言われて、私が書けると言ったら、書いて見ろと言って藁半紙を二枚、のりで貼って、入間川中心に入曽、堀兼のほとんどの道順を書いて、それには名前も日にちも書かなかったと思いますが、遠藤さんに渡したように思いますが、そうしたらじゃあこれ取って置こうと言いました。だから多分あると思います」

証人=「記憶ないです。記憶ないし、地図そのものがないですよ」

中田主任弁護人(以下、弁護人と表記)=「あなたは先程石川君が尋ねた際、鉛筆を倒したという話をしたときに、私はそんな芸当は出来ないと言いましたが・・・・・」

証人=「芸当なんていう様なものでは無くて、そういうことをやったことがないというわけです」

弁護人=「それから、長谷部さんはいろんなことをやったからと言いましたね」

証人=「言いました」

弁護人=「どんなことをやったのですか」

証人=「今言った様に紙などを切ったなんていうことはあったのではないかと思います。だけど他に種々雑多のことをやったという記憶はありませんけれども、今石川君が言った様なことはあったかも知れないと申し上げました」

弁護人=「長谷部さんは事件のことを尋問するだけではなくて、紙を切って見せたり図面を書いて見せたり茶碗の匂いを嗅いで当てて見ようかという様な、いわば冗談めいたこともやってみせたりということをよくする人なのですか」

証人=「よくするというわけではありませんが、私ら朴訥で何も出来ませんけれども長谷部さんはそういうことをたまにやる人なのです。けれども今弁護士さんは図面を書いて見せたりということを中に混ぜましたが、そういうことはないです」

弁護人=「あなたが知っている石川君の取調べの時に長谷部さんがやったいろんな事の中で覚えていることを話して下さい」

証人=「紙を切ったくらいのものです」

弁護人=「あの人はいろんなことをやったからという発言は、石川君が湯呑茶碗の匂いを嗅いで当てたことを覚えているだろうと聞いた時にあなたが言った言葉なのですが、その湯呑茶碗のことも、あったかも知れないとさっきから二度ばかり繰り返していますが」

証人=「あったかも知れません。紙を切ったこともあったかも知れません。だけど、あったとはっきりここで答えるわけにはいきませんけれども、とにかくあったのではないかと思います。あの人は」

弁護人=「その他にその類いのことをしたことはありませんか」

証人=「ないですね。川越へ行ってからは」

以下余白

狭山事件において長谷部梅吉が果たした役割は注視せねばならない。過去に自伝もどきの本を出版していたこの恥知らずは、今頃閻魔大王に舌を抜かれ大鍋で煮込まれているに違いない。それはさておき事件関係者がほぼ鬼籍に入る中、早くこの冤罪事件が解決することを望む。

ところで写真は、先日訪れた東京競馬場での一コマである。茫然自失となった老人が映り込んでいるが、これが公営ギャンブルの本質をまざまざと表している。こらからの時期、華やかに有馬記念のCMなどが増えるであろうが、フラッと騙されぬよう気を引き締めたいものである。