アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 430

【公判調書1444丁〜】証人=遠藤 三(六十七才)・元警察官

(裁判長=「犯人が逃げたところですか」に対し)

証人=「そうです。あの辺を中心にして聞込捜査をやりました。だからいちいち地図を見たことはないけれども頭にないことはないです」

裁判長=「被害者の家を知っていますか」

証人=「知っています」

裁判長=「中田栄作の家ですね」

証人=「はい。知っています」

裁判長=「被害者の死体が出た場所を知っていますか」

証人=「知っています。そうだ、佐野屋、佐野屋という商い屋がありましたが、大体そこを中心にしてぐるりを捜査したから、地図を見たことはないけれども大体は承知しております」

中田主任弁護人(以下、弁護人と表記)=「分室で謄本を取っていたという場合に、あなたの説明によると調書が出来ない内に図面の謄本を取ったこともあれば、調書に綴じ込んでから取ったこともあるということでしたね」

証人=「そうです」

弁護人=「調書が出来ない前に図面の謄本を取った場合には、本物にせよ一緒に取った謄本にせよ、もう一度あなたのいるところに戻って来るわけでしょう」

証人=「戻って来ます」

弁護人=「青木さんが調書を綴じて被疑者が署名指印し、青木さんが署名し、あなたが立会人として署名し、契印するというその場面には、あなたは立会人としてずっと立ち会っていたわけでしょう」

証人=「立ち会っていました」

弁護人=「調書が実際に出来上がるところはあなたは全部見ていますね」

証人=「見ています」

弁護人=「謄本を取って調書に綴じるために戻って来るのは原本だけですか、それとも謄本も戻って来るのですか」

証人=「原本だけです」

弁護人=「その、戻って来た原本に今あなたが見たような、何か筆で書いた跡の様なものを発見したことがありますか」

証人=「ありません」

弁護人=「つまり、謄本を取るようにと持って出てから返って来るまでの間に、紙に書き加えがあったり、あるいは上から力を入れてものを書いたりした、という様な変化があって戻って来たという様なことは無かったわけですね」

証人=「無かったというか、気が付かなかったと申しましょうか」

弁護人=「気が付いたことは無かったのですね」

証人=「はい。気が付いたことは無かったです」

弁護人=「図面の謄本は川越警察で調べている間、初めから終わりまで作っていたのですか」

証人=「全部作ったと思います」

弁護人=「取らないものは無かったという記憶なのですね」

証人=「取らないものは無いと思います」

弁護人=「それは皆、川越署分室の中で作ったという記憶ですか」

証人=「はい」(続く)

*我がアジトから十分ほど歩くと、この様な絶景に出会える。緑色の、目に良さそうな景色を眺め、精神が安定していくことに老生は幸せを感じるが・・・。

ジッと雑木林を見つめるこの猫を見つけ、ああ、分かっているな、お前、とつぶやくが、近くを通る小学生の群れが警戒の眼差しでこちらを注視していることに気付き、足早に現場を立ち去った。