アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 405

【公判調書1414丁〜】証人=青木一夫(五十三才)・警察官(証人として出頭時は草加警察署長)

平岡検事(以下検事と表記)=「先ほど裁判長のお尋ねで鉄筆あるいは石筆の跡と云われたが、薄い紙を当てて鉛筆で書くと、鉛筆の跡が黒く付かないにしても下の紙に写りませんか」

証人=「色の付かない跡は残る場合があると思います。これは謄本と原本の跡とを合わせれば大体解決がつくと思います」

検事=「謄本というのは、普通のやり方だと被疑者の書いた図面の上に薄い紙を当ててなぞって、今度はそれを元にしてカーボン紙か何かを入れて何枚か写しを作ったものなのですか」

証人=「はい」

検事=「大体何通ぐらい作ったのですか」

証人=「ものによって違うと思います」

検事=「必要度の高いものはたくさん作る場合があるのですか」

証人=「はい。ですから一旦原本から引き写し、今度は引き写したものを土台にしてまた作る場合もあるわけです」

検事=「それは全部残してあるわけですか」

証人=「全部とは言えませんが、大部分狭山警察署と県警本部に二組になって保存しております」

検事=「重要事件になると保存のためにも作るわけですね」

証人=「はい。この事件だけでなく他の事件でも同様です」(続く)

*法廷での問答は徐々に「筆圧痕」の問題に迫りつつある・・・。

写真は、石川一雄被告人が書かされた「自白」図面を拡大したもの。鉛筆書きの線に、白く見える線が重なるが、これが筆圧痕の上を鉛筆でなぞった時にできる現象である。これらの図面について石川一雄被告人は、「遠藤さん(警部補)が二枚重ねた上の紙に書いて、下に写ったものをなぞって書いた」と証言(第二審)、弁護団石川一雄被告人の供述調書の図面を調べると、ほとんどの図面から筆圧痕が発見された。

窪みの上から鉛筆でなぞったため、その淵に薄く鉛筆の跡が残っている(下の矢印)。・・・おっ、今日は酔っている割にしっかり事件を考察出来た。よし!(写真と、その説明文の着想は“無実の獄25年・狭山事件写真集・部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部編・解放出版社”より引用)