アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 404

【公判調書1413丁〜】証人=青木一夫(五十三才)・警察官(証人として出頭時は草加警察署長)

*ここからは平岡検事による尋問である。

検事=「謄本を作る場合、調書の本文の方の謄本はどういう風に作るのですか」

証人=「本文はそれを見ながら炭酸紙を用い、ボールペンあるいは骨筆で同時に三通ぐらい作ります」

検事=「他の人がそれを見て、同じ内容のものを別に作るということですね」

証人=「はい」

検事=「その時に、調書の謄本の最後の被疑者の名前や指印はどういう形式にするのですか」

証人=「この場合ですと、謄本を作る者が石川一雄と書き、指印として丸で囲います。それから原本が印鑑になっている場合には印と書く場合が多いと思います」

検事=「“指印”と字で書く場合もあるのですか」

証人=「指印の場合は丸の中に指印と書く場合が多かったと思います」

検事=「謄本に付ける図面の謄本には原本にある被疑者の指印をどう表示するのですか」

証人=「大抵の場合、同じ様に丸、これは楕円形になると思いますが、丸を書いてその中に指印と書いてあると思います」

検事=「図面の原本から謄本を作る場合、あなたの調室で図面が出来て、あなたが調書を書いている間に、遠藤さんか誰かがその場で直ぐ謄本を作る薄い紙を原本に当てて作ったという様なことは無いのですか」

証人=「ないと思います」

検事=「調書が出来て、被疑者石川が書いた図面を調書に綴じ込んでから後に謄本を作る時は、図面を外して作るのでしょうか」

証人=「あるいは外した場合もあるかも知れませんが、綴じたままで広げて作ったか、謄本を取った者でないと分かりません」

検事=「あなたが書かせた図面を調書に綴じる前に、謄本を作るため、他の人が別の部屋に持って行って写して謄本を作ったという様なことはありませんか」

証人=「絶対に無いとは言えないと思いますが、あるいはそういう場合もあったかも知れません」

検事=「そうすると、色々な場合があるわけですね」

証人=「はい。ほとんどの場合は一応手元でまとめて、そして渡すのが普通でした」(続く)

*証人である青木一夫に対する尋問は、やがて筆圧痕問題につながるであろう布石になっていると、老生は酔った頭で思ったわけだが、先走ってその問題を記述する。写真の、向かって右側が筆圧痕の上を鉛筆などでなぞった時にできる現象。当時、遠藤警部補が二枚重ねた上の紙に書いて、下に写ったものを石川被告人がなぞって図面を書いたとされる。引用中の問答はここに辿り着くと思われる。(写真は“無実の獄 25年・狭山事件写真集・部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部 編・解放出版社”より引用)