アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 370

【公判調書1352丁〜(21/21)】供述調書 石川一雄

右の者に対する恐喝未遂等被疑事件につき、昭和三十八年六月十一日狭山警察署において、本職は、あらかじめ被疑者に対し、自己の意思に反して供述する必要がない旨を告げて取り調べたところ、被疑者は任意左のとおり供述した。

中田○○(被害者名)さんの件について申します。

○○(被害者名)さんを殺したり、関係したり、死体を埋めたり、脅迫状を書いたり、二十万円取りに行ったりした事は三人でやった事です。

「問」三人と云うのは、誰か。

「答」一人は私なのだが、あと二人はどうしても云うつもりはありません。

「問」そういう事をやった場所は何処か。

「答」私の家の近くでない事だけは云えるが、その他のことは云いたくありません。

「問」死体を埋めた場所まで運んだのはどうやって運んだのか。

「答」自動車でなければ運べないでしょう。また私に云える事は死体が縛られていた筈は無いということです。

(問)一緒に事件をやった二人の名前は何故言えないのか。

(答)私は義理と人情を重んじる方で、もし事件の内容を詳しく云うと、その相棒達の名前も自然に判ってしまうからこれ以上のことは云いたくありません。なお私は女との肉体関係は今迄やった事がありません。それはどういう訳か判らないが、女の子と付き合うまでは普通の若い衆と同じだが、関係したいという気があまり起きないのです。だから○○(被害者名)と関係したのは私ではありません。以上の通り相違ありません。なお私は裁判になったらこの事件のありのままを全て裁判所に申し上げるつもりで、その時にはこの事件で私がどういう事をやったか、又、相棒達がどういう役目をしたか全て申し上げます。五月一日のことは全部申し上げます。

右のとおり録取し読み聞かせたところ誤りのない旨申立てたが、署名指印を拒否した。

浦和地方検察庁 検察官検事 ・河本仁之、検察事務官・橋上  英。

この写真は狭山弁護団、解放同盟、その他の支援団体による事件の再現実験の模様である。中央の人物が身代金を持った被害者の姉という想定で、この状況においてどれだけ周囲の状況を把握出来たか、など詳細に検証されている。