アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 112

石川被告宅における第三回目の家宅捜索は昭和三十八年六月二十六日に行われ、屋内のお勝手入口の上から万年筆が発見される。六造証人:「時間はちょっと判らないですけど、朝七時半か八時ごろだと思ったですけど、前のほうから、三人くらい来て、一雄くんがボールペンがあると言うから、ちょっとこっちへ来て取ってくれというんです」中田弁護人:「ボールペンですか」六造証人:「万年筆です」中田弁護人:「前のほうというのは」六造証人:「うちの左側に通りがあるでしょう。向こうから来るわけなのに、井戸のほうから来たんですよ」中田弁護人:「あなたの家の玄関に立つと右手に井戸があるのですね」「右手のほうから来たわけですか」「そしてどこからあなたの家に入ったんですか」六造証人:「廊下から上がりました。いつも二回とも玄関から上がってたんですが、その日は廊下があいてたんで、廊下から上がりました」「一雄くんが万年筆があるって言うから、そこをちょっと兄さん見てくれと言うんです。それで、どこだと言ったら、お勝手だと言うんです。その前に図面を見せてくれたんです。それでお勝手のほうへ行ったんです」中田弁護人:「だれが行ったんですか」六造証人:「小島警部です。その次私です」中田弁護人:「自分でお勝手のほうへ小島警部は行ったわけですか」六造証人:「はい」中田弁護人:「あなたはそれに付いて行ったわけか」六造証人:「はい」・・・。ここにも、俄かに暗々たる薄墨色の闇が見え隠れしている。三回目の家宅捜索に限り、玄関ではなく井戸の方から現れ、廊下から家に上がる・・・。これは過去に記した関源三巡査の行動パターンと符合しないか。( 続く)                    

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(無実の獄25年:狭山事件写真集:解放出版社より引用)