アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 78

第二審公判調書610丁。引き続き橋本弁護人が小島朝政証人に問う。証人が石川被告宅の鴨居から万年筆を発見・押収した際、その鴨居の状況を詳細に調べたのかどうかについて。万年筆を鴨居から取り出した時、置いてあった箇所を証人は見たか、の問いに証人は「ええ、そのあとをなでてみました」と答え、その付近に節穴があり使い古しの足袋が押し込んであったと付け加える。弁護人:「その場所を見たというのは、台の上に上がって見たんですか、それとも背のびして見たんですか、あなたは」証人:「いや、立会人が捜したあとを立会人が万年筆を発見し、写真をとったあと、私がそこをなでてみました」弁護人:「ですから、なでるのに、台の上に乗ってなでたんですか、それとも」・・・弁護人の問いに対して小島朝政証人の証言は“やや”噛み合っていない。そしてこの証人は中々の職務怠慢ぶりを披露する。弁護人:「しかし万年筆が置いてあった現場を見てみる必要は十分にあるんじゃないですか、捜査官としては」証人:「いや、なでてわかるんじゃないでしょうか」・・・。私は絶句しつつ読み進めるとさらに追い討ちをかけられる。   弁護人が万年筆について「鴨居の上に置いてあった万年筆を取り除いた場合、その跡に残る埃などの状態や痕跡、そういう事に関する証拠保全をするべきではないのか、常識として」と問いを放つと証人は「そう深くは考えておりません」と返すのであった。もはや警察官としての適格性を欠いている小島朝政証人は、それでも当時、埼玉県浦和警察署次席という地位を保っていた事実は恐ろしい。だが、この程度の資質しか持たぬ人物であるから、当時の事件全体の流れに飲まれていたとも言えようか。ところで狭山事件の被害者が所持していた万年筆は現在、最高検察庁に保管されているのか?私にはそれが分からないが、是非とも指紋鑑定するべきだと思っている。                                    

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( 無実の獄 25年 狭山事件写真集  部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部 編 : 解放出版社より引用)