アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 61

昭和四十年十一月十八日、東京高等裁判所にて。事件当時、埼玉県警察本部捜査第一課に勤務、地位は警視であった長谷部梅吉証人に対し石川被告の弁護人が問う。ここでは弁護人が、石川被告が取り調べの際に受けた数々の「脅し・賺し(すかし)」について取り上げ長谷部証人に迫る。石川被告は狭山署から川越警察署分室に移送されるが、その双方において長谷部証人が行なった取り調べ方が問題となる。弁護人「狭山署時代にあなたは石川君を調べておるときに、○○さん(被害者の名前)の幽霊の絵だという絵を示したことはありませんか」証人「ありません」弁護人「それではあなた方一緒に調べておる係官の誰かが、石川君に対して、君を殺して木の根っこにいけてしまおうかというようなことを言ったことはありませんか」証人「ありません」見事に全否定で返す証人に対し、次は川越警察分室での問いに移る。弁護人「石川君があなたに三人でやったという意味のことをいろいろ言った頃、あなたが石川君に対して、○○さん(被害者の名前)を殺したことを言うならば、十年で出してやると、そういうことを言ったことがありませんか」証人「ありません」・・・ 遂に、この狭山事件を象徴する問答がここに現れたのである。幾多の狭山事件関連本で目にしてきたが、狭山事件公判調書第二審第1分冊434丁下段中央に、確かにそれは記録されていた。                  

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(新聞からの切り抜きである。この方は素晴らしい。著作は必読であろう)