アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 73

私は過酷な日雇い労働を続けながら、58年前に起きた、私が生まれる3年前の事件、通称「狭山事件」と呼ばれるその公判調書を読んでいる。日頃、肉体労働を行うゆえ、休日は朝から芋焼酎お湯割りをチビリチビリ味わい疲れを癒す。芋焼酎と出会えて良かったとしみじみ思いながら、狭山事件公判調書に目を通すと瞬時に脳みそが引き締まるのであった。第二審、第十三回公判調書(576丁〜)を読み進めていると、あることに気づく。ここでの証人は当時埼玉県警察本部捜査一課長、将田政二証人であるが、弁護人への返答と、裁判長への返答の対応がまるで異なるのである。例えば、被害者埋没現場近くの芋穴の中にあった棍棒について弁護人による再三の問いに対し将田政二証人は的確さを欠く返答に終始するが、かたや裁判長への返答は理路整然、明確、的確に答える。弁護人と将田証人のやり取りに業を煮やした裁判長は「今のは、弁護人の質問に同じようなことを何べんも答えていますが出所場所(棍棒の:筆者注)の捜査とはどうしたのかと、具体的にその棍棒を持って一軒一軒廻ったのか写真でも撮って廻したのか、どういう方法でやったのか」と、やや苛立った印象を含み証人に問う。これには証人は舌も滑らかに的確に返答してゆく。私は、弁護人と裁判長、両人に対する将田政二証人の対応の違いが、実は証人の持つ潜在意識によるものと考えた。弁護人と裁判長、どちらが上か、そして自己が属する組織にとって利益になる相手はどちらか、これらが将田政二証人の対応姿勢に滲み出ていると私は感じた。                 

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(現場検証が済むと、私が手にしていたマグロ&ツナ缶に視線を合わせる捜査員。舌舐めずりしている)