アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 38

狭山事件における、最初の自殺者が出たときの模様を第五十一回公判調書より覗いているが、当時、狭山市に集まった報道関係がどれだけの規模だったのかが窺われ事件の甚大さがよくわかる。さて、重要容疑者の自殺に伴い狭山警察署竹内署長の秘密指令を受けた刑事調査官・長谷部梅吉はその現場である青柳の家へ向かう。秘密裡にという警察の状況認識とは裏腹に自殺現場周辺には報道陣が殺到、車で向かった刑事調査官はやむなく徒歩で現場へ到着する。ところが自殺者の家は、まだ昼間であるにもかかわらず固く雨戸が閉じられ、屋内には家族、親戚、近所の者が台所に集まり中から鍵を掛け、誰も入れない状態であった。警察に先行した報道陣が家の中を撮影したことによる家族の反応である。この日長谷部梅吉は私服であり、制服ではない刑事調査官を家族は信じず、結果、家の戸の隙間から警察手帳を提示、長谷部梅吉はやっと屋内へ入ることができたのであった。(続く)                                                

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