アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

無駄に過ごす

早朝五時に起き、安ワインを一杯飲み、ワンカップをカバンに入れアジトを出る。とりあえず目的もなく川越市街を徘徊する。街はずれの路地に入ったところ、私好みの物件が目に入った。ニヤつきながら素早く近づく。             

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こ、これだ。カッコいい。こんなアジトに住みたかったのだ。床下に強奪した三億円を隠し畳で蓋をする。右のスペースには、ヤレたスカイラインS54Bを置こう。二階の部屋には警察無線盗聴システムを導入し、捜査状況を把握するのだ。奥側の建屋には地下室を作り、銃器や火薬類を保管しよう。その二階は書庫だ。大藪春彦を全巻と、ありとあらゆる犯罪関連書籍を棚に並べ、冷えたビールと枝豆で読書タイムだぜ。窓を開けると初夏の風が吹き抜ける。い、いいね。それと特殊部隊突入対策の赤外線センサーも設置せねば! 一仕事終えたら向かいの洒落た店で乾杯だ。

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おぉ、伊達邦彦と朝倉哲也が一緒に飲んでいそうな雰囲気が(これは店なのか?)。私も仲間に入れてもらおう。「その後、磯川さんの消息は」「気になるか?」                       

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(この路地は本当に素晴らしい)しばし独り言を語りニヤニヤしていると、はるか上空に警察のヘリコプターがホバリングしている。「マークされている!」私は素早い身のこなしで川越駅に逃走し、ホーム端の立食いソバ屋[文殊]で春菊天ソバをすすりながら、遠ざかってゆくヘリコプターを見送ったのだった。今、私の正体がバレるのは非常にマズイ。十億円強奪を企む身としては、庶民と共に目立たずに一般社会に潜行し、機会を待つのだ。って、冗談ですよ警視庁!