アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

古本屋への道程

私は「古本屋巡り」が好きだが、何軒も巡ってはみたものの無収穫で帰った日などは、虚しく悲しい。私のような無理、ムラ、無駄の三大原則で生きる人間には「効率の良さ」なる発想はなく、ネット上に安値で探求本が見つかったとしても「保留」の決断をし、イソイソと寂れた古本屋へ探しに向かうのだ。街を彷徨い歩く道すがら、偶然見つけた立食いソバ屋で啜る天ぷらソバ。これが実に美味かったりする。熱心に古本屋を探す余り挙動不審で職質され、嫌疑が晴れた途端に警察官が親切に道案内してくれた、あの感動。電車内で夫婦喧嘩が始まるが、子供二人が止めに入りホームの隅で四人が結束を確認し合う、本物のドラマ。と、これらの事象を見る時「今、ここに居て良かった」などと大袈裟に喜んでしまう。古本屋そのものだけでなく、行き帰りの道程までもが〈楽しみ〉の対象に入るのである。昨日も、そんな一日であった。                  

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(武蔵小金井、立食いそば白樺にて)イイ店ですな。  

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(高円寺、西部古書会館での大均一祭に突入、入手した戦利品たち)好みの古本が安値で買えたが、祭場は加齢臭が充満、空間は歪み酸素少なめ、動線という概念は木っ端微塵に吹き飛び、まるでインドの交差点に迷い込んだ感である。古本も人間もカオス状態の極致であった。こんな、素晴らしいひと時を過ごし祭場を後にし、路地裏の隅で煙草に火をつけ一服つけた。   ガスマスクと酸素ボンベ及び安全靴(足を踏まれる)の必要性をひしひしと感じた、大均一祭であった。