アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 766

【公判調書2395丁〜】

                 「第四十七回公判調書(供述)」

証人=清水利一

                                           *

石田弁護人=「松本里次とか、吉田ミツノとか、そういう人を調べたかどうか覚えていますか」

証人=「記憶ありません」

石田弁護人=「それから足立静江さんという、これは石川被告の近親者になるわけだけれども、その足立静江さんという人から、何か、ジャンバーを提出させたかどうか覚えていませんか。六月三十日頃」

証人=「よく記憶にないんでございます」

石田弁護人=「いろいろな捜査記録、あるいは証拠にあたってずっと整理していくと、どうも六月三十日頃までは少なくともあなたは狭山事件の捜査というのに従事されていたんではないかと思われるんですがね」

証人=「そうですね、六月三十日の晩に起きたのが飯能事件ですから三十日までいたです」

石田弁護人=「さっきのはその旨訂正されますね」

証人=「訂正します。六月三十日です」

石田弁護人=「だから狭山事件の終わり頃、あなたが主として、具体的な事項で担当された捜査というのはどういう捜査だったか記憶がありませんか」

証人=「まあ、記録の整理をやったことは、今までの川越の分室の取調状況等からおして記録を全部整理する段階ですから、記録の整理を私はやったように覚えているんです。あらゆる記録を整理したと、記録の整理にはもちろん捜査もついていますから、そういうことを主としてやった記憶がございます」

石田弁護人=「六月下旬頃、鞄のこと以外に捜査報告書なんていうのは、やはり沢山書いていた記憶ですか、それともほとんど書かない記憶ですか、あなたは」

証人=「そうあまり書いていなかったんじゃないでしょうか」

石田弁護人=「強盗、強姦殺人等の容疑で再逮捕して、その再逮捕した勾留期間がさらに延長になったことを知っておりますね」

証人=「知っております」

石田弁護人=「その、さらに延長になった頃は、あなたが、六月下旬頃に捜査本部におられた頃ですね、知ってますね」

証人=「はい」

石田弁護人=「勾留延長をしたのは、まだいろいろと不明な点が多いとか信用できない、いわゆる自白の内容が信用できない点が非常に多いとか、そういうことで勾留延長にどうもなったようなのですが、検事さんの勾留延長の請求を見るとね。そういう点をあなたは知りませんか」

証人=「調書をほとんど私ども読んでいないんです、だからよく分からないんで捜査員を信用していく以外にですね、川越へ行ってる方々を信用して」

石田弁護人=「だから、分からないと」

証人=「そうですね」

石田弁護人=「勾留延長がなされたことだけは知ってるということですか」

証人=「そうです」

石田弁護人=「何か狭山事件の捜査本部を離れる頃のあなたにとっての印象的なものというのはないですか」

証人=「それは夜中に、捜査本部で泊まっておったら飯能に殺しが起きたと、飯能の署長からの話ですぐ来てほしいと。川越に中刑事部長がおりましたので中刑事部長に連絡して、君すぐに行けと、行きましてそれっ放しで、飯能へ行ってしまいましたから、あとのことは、飯能の事件を約三週間ぐらいかかって片付けて、捜査一課へ帰ってきていろいろ話を聞いたわけです」

石田弁護人=「その、狭山事件をやめる頃まで、あなたがさっき仰った容疑者を消していく作業というのは引き続き続けられていたわけですね」

証人=「ええ、残っていたものはほとんどつぶしたように私は記憶しております」

(続く)

事件当日、石川被告人が着用していたジャンバーとジーパン。警察は押収したが、なぜか証拠物ともせずに返している。着衣の血痕検査についても明らかにしていない。写真は"無実の獄25年・狭山事件写真集=部落解放同盟中央本部中央狭山闘争本部・編、解放出版社"より引用。