アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 548

【公判調書1722丁〜】

「自白の生成とその虚偽架空」            弁護人=石田  亨

四、自白の虚偽架空

4.思い違い、間違っていた、よくわからない、記憶しないなどの自白。

(2)「不知」的供述の整理

本件自白調書には「思い違い」「・・・・・・のように思う」「記憶がない」「よくわからない」「考えておきます」「気付かない」「気がする」など、要するに知らない旨の供述が実に多い。六月二十三日付以降の自白調書の記載からそれを若干拾って項目別に整理してみれば次のようになる。(*項目別に整理された書面は写真による引用とする)

(1722丁)

(1723丁)

(1724丁)

*次回、(3)"この種の供述の意味"へ進む。

ところで昨日、三月二十日午後五時前、袴田事件再審に関する速報がスマホに表示された。その画面には「検察は特別抗告を断念」との文字が表示され、老生はつい、「ほお・・・(語尾上げる)」と唸った。これはつまり袴田巌さんは無実であることを意味し、袴田事件と呼ばれた案件は冤罪であったことが確定するからである。そして老生が「ほう・・・」と唸った理由の一つに、ネットで偶然目にした次の記述が記憶に残っていたからである。

「検察の理念」 (一部抜粋)

"あたかも常に有罪そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならない。我々が目指すのは、事案の真相に見合った、国民の良識にかなう、相応の処分、相応の科刑の実現である。そのような処分、科刑を実現するためには、各々の判断が歪むことのないよう、公正な立場を堅持すべきである。権限の行使に際し、いかなる誘引や圧力にも左右されないよう、どのような時にも、厳正公平、不偏不党を旨とすべきである。また、自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず、時としてこれが傷つくことをもおそれない胆力が必要である"

・・・なまじ狭山事件などに興味を持ち、触れていると、検察は当然、袴田事件再審に対し、いたずらに特別抗告の手続きを行なうだろうと踏んでいた。上記「検察の理念」は2010年発覚の、大阪地検特捜部主任検事による厚労省元局長に対する証拠改ざん事件が端緒となり、検察改革の中で定められた。今回の検察の判断を見ると、傷つくことをもおそれない胆力は一応備わったようだ。

袴田事件に関する各新聞社の報道(2023.3.21付)。