アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 468

【公判調書1575丁〜】

                          「狭山事件の特質」

                                                                          中田直人

二、公判経過

2(前回より続く).『昭和四十三年十一月十四日、弁護人の弁論が予定されていたが、自白調書添付図面のいわゆる筆圧痕問題が起こり証拠調が再開され、警察官二証人の尋問の後、筆圧痕に関する鑑定が命ぜられた。この鑑定は一年を経た今日なお終了していない。その間、裁判所の構成が三度に渡って変わったこともあり審理が中断されていた。もう直ぐ満七年になろうとする今日、ここに審理は再び始められた。

疑問を明らかにし事実を究明するための審理など、無きに等しかったといって過言ではない原審の審理に比すれば、被告人が犯行を否認した新しい事態で極めて当然なことであるにせよ、かなりの証拠が取調べられた。しかし我々が求めた証拠請求のなお一部に過ぎない。我々はその意味で不満を訴えざるを得ない。被告人に対して不利益な証拠のみを選りすぐった感じの一審段階で、我々が無罪の弁論をしたように、元来この事件の証拠は疑惑に満ちており、そのすべてを通しても到底有罪判決は成し得ないものであった。加えて、これまでに当審で明らかになった事実と相俟てば被告人の言うところが真実であり、この事件が作り上げられたものであることをより明白にするための証拠調べが十分に続けられねばならないし、我々はそのことを強く求めるものである』 (続く)

*さてと、来年はどんな世相が待ち受けているのか。猫たちよ、良い年を。