アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 445

【公判調書1488丁〜】

東京高等裁判所第四刑事部        裁判長判事 久永正勝殿

                      『鑑定人推薦について』

貴裁判所で御審理中の被告人石川一雄に対する強盗殺人等被告事件について先般鑑定人推薦の御依頼がありましたが、当大学の異常事態のため、当教室教官はお引受いたしかねる現状です。当教室以外で次の方が適任と考えますので推薦いたします。

                                     記

一、上野正吉  東邦大学教授(医学部法医学教室)、東京大学名誉教授

二、岡島道夫  順天堂大学教授(医学部法医学教室)

 

昭和四十三年十二月十八日

東京大学医学部医学教室  教授  三木敏行

*文中に「当大学の異常事態」なる文字が見受けられる。これは昭和四十三年一月末、東大医学部の学生が無期限ストに突入、いわゆる東大紛争へと拡大して行くが、上記の書面の日付を見ると、それは紛争の真っ只中であることがわかる。付け加えるとこの八日前、昭和四十三年十二月十日、老生の大好きな府中三億円強奪事件が発生している。この頃の時代が放ったパワーは凄まじいものがある。

(この方が我がヒーロー、三億円事件犯である。知っての通り、このモンタージュ写真に使われた人物は事件とは全く無関係であった。だが新聞やテレビで徹底的に刷り込まれた老生にとって、やはり三億円事件とくればこの顔なのである。事件の捜査員たちはこの人物が犯人とみなし、靴底が擦り減るほど聞込みに走ったと聞くが、事件の実行犯としてはこのモンタージュ写真並びに新聞・テレビもが、いや全てがおのれの味方についたと、不敵な笑みを浮かべたであろう)