アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 432

【公判調書1447丁〜】証人=遠藤 三(六十七才)・元警察官

石田弁護人=「あなたは佐野屋の付近を中心に聞込捜査をしたということであり、被害者の家も死体発見現場も知っているということのようですが、被害者の家ないし佐野屋から死体発見現場までは足で歩くと相当な距離があるが、聞込み捜査に従事したのは佐野屋を中心ということだけではなくて、死体発見現場の方も聞込みの対象として歩いたことがあるわけですか」

証人=「その付近もあります」

石田弁護人=「聞込みに行く時には地元の警察官と組んで一緒に行ったのですか」

証人=「そうです。今、誰と誰という記憶はありませんが、全部が狭山警察署の者とは言えないけれども主に狭山警察署の者と組んで歩いたわけです」

石田弁護人=「その当時も地図を見たことはありませんか」

証人=「ありません」

石田弁護人=「将田さんなんかの証言によると捜査班というのが第一班から第四班まで別れていたようですが、あなたは第何班に属していたか覚えていますか」

証人=「私は第何班に属していましたか、私は大体自由で聞込みをやっていました」

石田弁護人=「将田さんの証言によると、当時、捜査一課の清水警部、山下警部、小島警部と防犯課の青木警部がそれぞれ指揮する四つの班に捜査班が別れて活動していたということのようですが、あなたはその四つのどこにも属していなかったというわけですか」

証人=「その内のどれかには入っていたことは間違いないでしょうけれども、何班だったかは記憶ありません」

石田弁護人=「清水さん、山下さん、小島さん、そういう人たちのどのグループに属していたかも分かりませんか」

証人=「分からないですねえ」

石田弁護人=「あなたとしてはとにかく地図は見ていないということなのですね」

証人=「見ていません」

宇津弁護人=「先程証人は石川君が同じ内容の図面を何枚か書いたことがあると言いましたね」

証人=「言いました」

宇津弁護人=「そういう場合は全体で何回ぐらいあったか記憶していますか」

証人=「何回ぐらいあったという記憶はありません」

宇津弁護人=「たった一度とか二度とかいうものではないわけですか」

証人=「限定はできません」

宇津弁護人=「一度だけという少ない回数ではないわけですね」

証人=「そんなことはありません」

宇津弁護人=「数回ですか」

証人=「二回か五回か六回かと言われてもはっきり申し上げるわけにはいきません。分からないです。とにかく、石川君が書いてこれはまずいなといって書き直したときもあります。その書きそこなったものは捨てたか燃したか、ありません」(続く)

*事件の捜査に携わる警察官が、初めて赴いた土地であるにも関わらず地図を頼っていない。聞込み捜査においては地元の狭山警察署員と共に行動したと考えれば確かに地図は不要と思われる。だが、この狭山事件の一連の流れを見た時、佐野屋、遺体発見現場、被害者の自宅、さらには石川一雄被告人の自宅と、それなりに広範囲で展開しており、これらを俯瞰する最も簡単な手段は地図を見ることである。聞込み捜査を終え捜査本部へ戻った後、その捜査に漏れがなかったかなど、地図等を見て確認し明日の捜査計画を練るのが当たり前ではないか、 という老生の考えは間違いかな。地図など見なくとも事件の捜査に支障はないと証人は言っているのだから・・・。

ところで、ここはある日の東武東上線の某駅であるが、その敷地内で、率直に言って天使に出会う。

この猫、ホント可愛いなぁ・・・。