アル中の脳内日記

アル中親父による一人雑談ブログ

狭山の黒い闇に触れる 1202

(脅迫状)

(石川一雄被告が書いた上申書)

狭山事件公判調書第二審3721丁〜】

  (ここに載っているのは被害者宅に届けられた脅迫状に対する綾村勝次の鑑定である)

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(前回より続く)

   また刑札、気んじょ、死まう、等はよほど考えて造って書いたものであろう。

   「も」字は縦を真下に引いて書いている。このような字は他の資料には見ることのないところである。多くは下を丸めて書いている。

(写真四点は脅迫状の「も」の字)

   「刑札」の書きようについては、筆者は教育程度が低いといわれているが、「刑」の字はむしろ現在の教育漢字(小学六年)にも入っていない文字である。それも書き慣れた調子で書いている。教育程度の低い者ならば平仮名で書くことであろう。何を無理して読み難い文字をあてたのであろう。

    一見して鑑定資料(一)は鑑定資料(三)や(四)に比べて特殊な刑罰に関する文字を持って表した当て字が多すぎることは認められる。そこには何かの意識をもって文を綴ったものであることを表している。(三)や(四)に見られる文字の書写態度の方がいかにも充分な教育を受けない者が書く文章の体をしめしており、無理して漢字を使用していないことによっても明らかである。

(続く)

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○脅迫文をこっそりと個人的分析する、その②。

脅迫文の左上にはかなり激しい形での抹消が見られる。ここに何が書かれていたかは不明だが、これだけ執拗に消している以上、脅迫文の筆者はこの箇所を隠蔽しなければ不都合が生じることを明らかにしている。

    そして「このかみにツツんでこい」と続くが、手紙の冒頭にこの要求を記したのは、これこそ犯人にとっては最重要なシグナルを被害者側に送っていたと言えよう。前回もここに触れたが、脅迫状を回収してしまうことを執筆者は目論んでいたのだ。

    続く身代金受渡しに関する「いつ」「どこで」という、犯人としてはかなり関心を払う箇所での訂正がされている。

   4月29日という日付が「五月2日」へ、場所である「前の門」が「さのヤ」へと訂正され書き直されていた。

身代金受渡しの日付と場所が訂正されていたが、夜12時という時刻は変更されていない。ここに何か犯人の行動条件が垣間見れるような気がしてならない。